大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 記事一覧
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大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <74> 住民が阻止した新潟県巻町 原発事故が投げかけたもの 今後も問い続けたい
どん欲に情報収集 原発建設を阻止した旧巻町(現新潟市)の話をもう少し続けたい。 地元紙「新潟日報」が東北電力の秘密裏の用地買収をスクープしたのが1969年。それから住民投票(投票率88.29%、建設反(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <73> なぜ原発はできたのか どこも似たシナリオで進む
なぜ福島に原子力発電所が10基もできたのか。 それは、原発のメリットとデメリットを考えた時に、メリットが大きいと地元の住民が判断したからだ。常識的にはそうだろう。 しかし、大事故が起こっ(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <72> 引き受け手なきNIMBY 「大工場が来る」と描いた夢
NIMBY(ニンビイ)とは「Not In My Back Yard」の略。訳すと「私の裏にはあって欲しくないもの」。いわゆる迷惑施設のことである。社会的には必要とされているのは分かるが、それが自分の家のそばにあって欲(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<71> 復興予算はどう使うべきか 補助金誘導型でいいのか
被災3県最少の執行率 時々、国会中継の動画をネットで見る。復興問題や原発、放射能に対する施策がどのようなやり取りの中で生まれているか知るためだ。 ある時、福島県選出の自民党参院議員、森まさ(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<70> ポスト原発と雇用問題 立地自治体は自立できるのか
会津若松の仮設住宅に住む木幡仁さんは、昨年11月に行われた大熊町町長選に立候補し、現職の渡辺利綱町長に敗れた。掲げた基本政策は、脱原発と町の移転だ。 「年間1ミリシーベルト以下でなければ、子供(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <69> 2度目の盆が過ぎて 大きな存在の墓地と寺
今年の盆は母親と叔父夫婦と墓参りをした。都内から約6時間。東北道を降り山道を走り、南相馬市内に入ると、知人宅を回って、鎌や鉈(なた)、バケツなどを借り、お願いしていた塔婆を受け取り墓地に向かう。(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<68> 3号機と福島県知事 MOX燃料導入の意味
東電の公開映像 8月9日、東京電力が公開した一連の福島第一原発事故に関わる映像で、また一つ、情報隠しが明らかになった。3号機が爆発した3月14日の直後、佐藤雄平福島県知事が東京電力の広報に対して、「(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<67> 3つのシナリオの意味 「脱原発」とエネルギー政策
「なぜか」の説明がない この国のエネルギーの行方が定まろうとしている。政府は福島第一原発事故を受け、経済産業省の「エネルギー・環境委員会」において将来のエネルギーシナリオを設定、国民的議論の上(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<66> 名物記者はなぜ変節したか 「真面目そう」が生んだ悲劇
安全神話と現実 「なぜなのかは、よく分からない」 長年環境問題を取り上げてきたある市民団体の事務局長は首をかしげた。 「ずっと懇意にしてきたある全国紙の化学物質に詳しい科学記者が、あ(続く) -
大震災を乗り越えよう「3.11後の選択」 再起・復興を期して<65> いろいろな違和感 世代ギャップと戸惑いも
脱原発デモの見え方 「東京に生まれてずっと東京で暮らしてきたんで、福島のことを考えると何かしなきゃ、節電もとか思うんですよ。デモをする気持ちもわかる。でも違和感があるんですよ」 とある居酒(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <64> 地域を分断する区分け 飯舘村の「までいな」証言者
測定値が信用できるか 7月17日、全村避難している福島県の飯舘村で新たな「区域替え」が行われた。新たな区域は「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」「帰宅困難区域」の3つ。 経済産業省によれ(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <63> 原子力は安全という〝洗脳〟 教育現場では公平性を
■ 事故は「広報の好機」 文部科学省が制作した原子力と放射線についての副読本について、もう少し述べたい。 福島大学准教授の後藤忍さんが、独自に原子力を考える副読本を企画した背景には、文部科(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<62> 「減思力」を止めよ 放射線と被爆2つの副読本
文部科学省は、昨年10月に学校向けの放射線副読本を作成した。対象は小、中、高校生である。タイトルは小学校向けが「放射線について考えてみよう」など極めてニュートラルだが、内容は「現状をからすれば、影(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <61> 驚きの「再稼働反対」否決 福島県内でも動きは二分
毎週末行われるデモ 国会や官邸の脇で、関西電力大飯原発の再稼働に反対するデモが毎週末に行われている。抗議デモはどんどん大きくなり、6月29日は主催者側の発表で10万人を超えた。 デモは3月に1人(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<60> やはりモルモットなのか 耳を傾けない現場の医師
健康障害を恐れる 福島県民が今最も頭を悩ませ、恐れているのは放射性物質が引き起こす健康障害である。だが県の対応を見る限り、そこに手を差し伸べようという気はないらしい。 ある会合では原発立(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して <59> 前提条件を無視する首相 電力不足と大飯原発再稼働
橋下市長の「変節」 野田佳彦首相が関西電力大飯原子力発電所の再稼働に躍起となっている。しかも夏以降も継続して稼働させるという。再稼働しないと、「国民の生活を守れない」というのがその理由らしい。(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して(58) 子ども・被災者支援法案成立へ
超党派でようやく 超党派による原発被災者の支援法案、いわゆる子ども・被災者支援法案が、やっと今国会で提出される。6月6日には、各党の議員が合同記者会見を開いた。 この法案の原案は、昨年の秋(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<57> 瓦礫の広域処理は正当か 安全面から問い直す必要
受け入れで賛否 瓦礫の広域処理がなかなか進まない。環境省は全国紙に全面広告を打ったり、細野豪志環境相自ら全国行脚して、瓦礫の広域処理に理解を求めている。 東日本大震災で発生した瓦礫は、岩(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して(56) 集団移転を阻むもの 低くはないハードル
被災3県の沿岸部の集団移転が進まない。集団移転の実行は各市町村だけでは実現できない。国はそのため集団移転を国庫補助事業として位置付け、その促進を図ってきたものの、5月8日現在で、国から承認を得ている(続く) -
大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して(55) 踏み台にされるフクシマ 事業現場やボランティアでも
「放射線の空間線量は既に関東や名古屋などと同じかそれ以下になっているが、やはり人は戻ってこないんだ」 南相馬市では原発事故から時間がたつにつれ、そんな声が増えていった。人が戻らない理由は、単(続く)