幸福論的「住宅論」 記事一覧
幸福論的「住宅論」
〝ハード〟である住宅を、幸福という目に見えない〝ソフト〟の問題として論じてみたい。なぜなら日本は、住宅を面積や耐震性、最新設備など物理的側面から見ることが多い。にもかかわらず、住宅を購入する根源的動機については「家族が幸福になるため」と臆することなく語る。ハードをハードとして評価することが、どうして幸福という目に見えない微妙なソフトを手に入れることにつながるのか。その〝落差〟を埋めないかぎり、日本人は決して幸福にはなれないと思うからである。
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幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 ◆100 宇宙にひそむ何か モノと生きる気構え
「モノにあふれた時代」という表現がある。確かに、都会は人間が造り出した人工物ばかりだから息が詰まる。ふとしたときなど、コロナではないが、息がしづらくなることさえある。 しかし、同じモノでも、形のよ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 99/100 戦わずして勝つ 〝共感〟の時代
戦略とは戦いを省く、つまり戦わずして勝つ方法のことである。戦わずして勝つ(成功する)ことができれば多くのコストを掛けることもなく、リスクも避けることができる。では、戦わずして勝つために必要なものはなん(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 98/100 「職業倫理」の出番 選ぶのは〝信頼性〟
野村総合研究所の予測によれば、新設住宅着工戸数が30年度には63万戸、40年度には41万戸にまで減少するという。19年度実績は88万戸だったから、今後20年間で半分以下になる見込みだ。 確かに予測結果は衝撃的だ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 97/100 人類はウイルスに勝てるか 鍵は国民の結束にあり
潮の干満で河口から川の逆流が起こることはよく知られている。その規模の大きさでは中国の銭塘江やブラジルのアマゾン川が有名だ。 では、歴史の逆行はあるのだろうか。タイムスリップの話ではない。人類とウイ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 96/100 自立ではなく〝自律〟 心のありようが社会を変える
アフターコロナ、ウィズコロナといった言葉がマスコミをにぎわせている。人はこれからの社会に何を求めているのか。もし、多くの人が今の社会に満足しているのであれば、これほど執拗に〝アフターコロナ〟を論じる(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 95/100 来たるべき社会像 「幸福とは何か」が、答えを導く
今や誰もが東京一極集中に疑問を持ち始めた。東京が日本経済を支えているのは確かだとしても、「二度とあの満員電車には乗りたくない」というのが大半の人の本音だろう。社会的ディスタンスどころか、まるで家畜か(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 94/100 〝コロナ新時代〟への憧憬 面白くなる予感
コロナ危機を乗り越えた後に、コロナ前とは価値観を異にする社会〝コロナ新時代〟は本当に来るのだろうか。不動産業がどう変わるのか、あるいは変わらないのかについても、識者の間で見解は異なっている(「識者に(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 93/100 「体感」が「想像」を助ける 住まい、その先にある暮らし
ぼく、ポラ猫。 やっぱり家が一番。って、 ここぼくの家じゃないけ ど。 これは、今週号の弊紙(6面)にも掲載されているポラスの「体感すまいパーク柏」の広告コピー。ポラスグループの新キャラクター、ポ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 92/100 住まいってなんだ? 宇宙の果てを知る空間
外出自粛が長期化することで、住まいのあり方を見直す機運が高まっている。在宅勤務が増えたり、家の中で楽しく過ごす方法が注目されたりする中で、これまであまり意識しなかった「住まいってなんだ」と考える人が(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 91/100 社会とつながる基盤 個性を発揮できる砦に
住まいは、人が社会の一員として存在するための基盤である。物理的にも精神的にも人は住まいを通して社会とつながっている。 物理的にという意味は二つある。一つは、言うまでもないが過酷な自然環境から身を守(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 89/100 住まいに見る時代風景 地域に根ざす文明へ
ここ数年、自宅のリースバック事業が注目を集めている。最近では、福岡の三好不動産が参入した。元祖はハウスドゥといわれているが、今や全国でこの高齢者向けのリースバック事業が広がりを見せている。 長寿化(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 88/100 住まいを考える好機 住む人をトータルに捉える
住まいはこれまで〝生活の基盤〟と言われてきたが、在宅勤務の普及でその意味合いが変化し始めている。つまり、生活の基盤という、その中に〝仕事場〟という概念も入り込み始めた。 今回は緊急避難として導入さ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 85/100 「デザイン経営」とはなにか 奥底にあるニーズを掘り起こす
意匠法改正の背景 意匠法改正の背景を説明しているのが、経済産業省・特許庁が18年5月に発表した「デザイン経営宣言」(以下「宣言」)である。それによると欧米ではデザインへの投資を行うかどうかで、企業の業績に(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 87/100 コロナ、その後は・・・ 〝在宅勤務〟が日本を変える
在日アメリカ大使館は4月3日、ホームページ上で日本の新型コロナ検査不足を指摘し、〝有病率〟を正確に把握することが困難として在日アメリカ人の早期帰国を促した。 アメリカやヨーロッパに比べ日本の感染者(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 86/100 コロナ危機に学ぶ 〝想定外〟にどう備えるか
新型コロナウイルスの脅威が住宅・不動産市場にもひたひたと押し寄せている。当初は中国で製造している住宅設備などの納入遅れで竣工が約束した期日に間に合わないという日程上の問題だった。しかし、日常生活にお(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 84/100 プラウド「世界一の時間へ」 「客観」よりも「主観」の時代
野村不動産の住宅ブランド「プラウド」。テレビCMのキャッチコピーは「仕事も、家族も、自分も、これから。ここが私の最高のスタート。この家と、先にいく。世界一の時間へ」。 少し前までは「世界一の時間へ」(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 83/100 住まいという「場」 人間関係の密度がすべて
マンションの資産価値を決める最大要素は「立地」と言われている。いや、「立地がすべて」とさえ言われることもある。では、立地(場)を最優先しない住まいとは何を優先するのだろうか。考えてみると、ほとんどのこ(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 82/100 「家に帰れば 積水ハウス」 心が一つになると笑顔
住宅は選ぶことができない。なぜなら、他の住宅にも住んでみて住み心地を比べることができないからだ。まさに、たった一度しか生きられない人生と同じである。だからこそ自社の商品をユーザーにどう訴求するかが難(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 81 /100 人間が機械に使われる日 感性を失えばありうる話
コンピューターや人工知能(AI)が導入され普及すると、計算や事務的仕事は機械に任せ、人間はより創造的な仕事に就くことができる、といわれている。 例えば、不動産仲介業でもAIを活用すれば、価格査定も、その(続く) -
幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 80/100 シンプル イズ ベスト 説明不要の仕事が世を照らす
心が軽くなる 家の中の整理整頓をすることは心を軽くすることである。モノがあるべきところに収まっていると心の負担が消えていく。その意味では、人はモノとも対話していることになる。モノとの対話は自分との対(続く)