新住まいの「ことわざ」 記事一覧
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新住まいの「ことわざ」<210> 家を畳む 松岡英雄
今から50年前の春、夢と希望を抱いて、準急「東海3号」で故郷岐阜をあとにした。東海道新幹線はその年の10月、東京オリンピックに間に合わせて開通した。ちょうど日本経済は高度成長の只中だった。東京で頑張れば(続く) -
新住まいの「ことわざ」<209> 米櫃が乾く 松岡英雄
おぼろではあるが、両親の会話の中に「エイダン」という言葉を何度か聞いた記憶がある。1964年、東京へ出てきて、営団地下鉄を知った。エイダンは営団だったのだ。 第二次世界大戦中、国家統制のもとに公益事業(続く) -
新住まいの「ことわざ」<208> 井の中の蛙 松岡英雄
燦金会という集まりがある。月一回、第三金曜日に集まるから三金会なのだが、それでは味気ないと燦の字を当てている。 大京の横山修二さんが設立されたアーバンハウジングが事務局となって、当時の住宅政策課長(続く) -
新住まいの「ことわざ」<207> 泣いて暮らすも一生笑って暮らすも一生 松岡英雄
私の誕生日は3月11日である。65歳の誕生日に東日本大震災が発生した。以来、複雑な気持ちで誕生日を迎えている。 不動産問題に詳しい松田弘弁護士もおそらく私と同じような気持ちで誕生日を迎えておられるような(続く) -
新住まいの「ことわざ」<206> 親の意見に畳の目 松岡英雄
今住んでいるマンションには畳の部屋がない。3室全部洋間でフローリング、もちろん、リビングもフローリングである。 昔は絨毯張りの人気も高かったが、今はフローリングが主流である。掃除のしやすさとか衛生上(続く) -
新住まいの「ことわざ」<205> 年寄りのある家には落ち度がない 松岡英雄
日曜日の夕方はいつも「サザエさん」のテレビを見ながらの食事だった。娘たちが大きくなるまでの10年ほどは日曜日恒例の行事のようになっていた。 しかし、もう長い間、サザエさんを見ていない。サザエさんは子(続く) -
新住まいの「ことわざ」<204> 方位家の家潰し 松岡英雄
江戸の町は、江戸城を真ん中にして、広大な面積を誇る上野寛永寺を鬼門である北東の方角に配置し、裏鬼門にあたる南西の方角には徳川家の菩提寺である増上寺がつくられている。 江戸を都市計画によって、平安京(続く) -
新住まいの「ことわざ」<203> 家の中に鳥が入れば福が来る 松岡英雄
昔、マンションのベランダにセキセイインコが迷い込んできたことがあった。近所で飼われていたに違いない。鳥籠を買い求めて世話をすることになった。すぐに幼い娘たちの人気者になった。生きていた数年間、インコ(続く) -
松岡英雄 新住まいの「ことわざ」<202> 隣千金に換え難し
隣人は何かにつけて世話になるものだから、どんな大金にも換えがたいほどたいせつである、ということ。 農村には「手間返し」という仕組みがある。田植えや屋根葺き、稲刈りなど、労力が必要な作業を集落の住(続く) -
松岡英雄 新住まいの「ことわざ」<201> 氏(うじ)より育ち
育った環境というのは恐ろしいもので、クラシック音楽に馴染めない。受け入れられない。外国文学も好きになれない。読む気がしない。世界の名曲、名作を楽しまないのはもったいないが、趣味嗜好はそんなに簡単には(続く) -
新住まいの「ことわざ」<200> 女房は家の宝 松岡英雄
日本の亭主どもは女房に素直に愛情を表現できない。感謝の気持ちを伝えられない。照れてしまう。以心伝心すると思い込んでいる。言わなくてもわかってもらえると勝手に思っている。 そんなことは滅多にない。言(続く) -
新住まいの「ことわざ」<199> 家を建てる夢は幸福となる 松岡英雄
今年の干支(えと)は午(うま)である。動物では馬に当てる。方位では南の方角、時刻では昼の12時。 「心に残る競走馬ランキング」(朝日新聞12年2月)によれば、1位オグリキャップ、2位ハイセイコー、3位シンボリル(続く) -
新住まいの「ことわざ」<198> 松が取れる 松岡英雄
正月7日には、七草粥(ななくさがゆ)を食べる風習があった。 七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロである。鎌倉時代から食べていたという。それ以前、平安時代初期、中国か(続く) -
新住まいの「ことわざ」<197> 笑う家に福来たる 松岡英雄
年賀状が届くのは元日だが、書くのは相当前である。あるいは、今ごろ、せわしなく書いておられるかもしれない。 年賀状はお互いに元日を元気で迎えられるという前提で出すものである。昨年暮れに、私より少し若(続く) -
新住まいの「ことわざ」<196> 我が家の関白 松岡英雄
パナホームが実施した「セカンドライフに関する生活者調査」(11年6月)によれば、妻が定年を迎える夫に求めたいことのベスト10は、(1)健康に気をつけてほしい(2)お互い干渉しないで自由に過ごしたい(3)趣味生きがい(続く) -
新住まいの「ことわざ」<195> 人の苦楽は壁一重 松岡英雄
シェアハウスは新しい住形式なのだろうか。国交省は建築基準法上、寄宿舎に該当し間仕切り壁の準耐火構造が必要であるとしている。寄宿舎の代表例は、今は少なくなったが学生寮である。しかし、学生寮とシェアハウ(続く) -
新住まいの「ことわざ」<194> 壁に耳あり、障子に目あり 松岡英雄
戦前のわが国には治安維持法という酷い法律があったが、運用次第でそれ以上の悪法になりかねないのが「特定秘密保護法」である。 国家に秘密があってもしかたがないと思うけれど、どれが秘密事項であるかという(続く) -
新住まいの「ことわざ」<193> 暖簾に拘(かか)わる 松岡英雄
電鉄系ホテルチェーンが長年にわたり、レストランのメニューの表記と使用した食材を「誤表示」していたことが明らかになった。誤表示とは会社の言い分であり、あれはどう見ても「不当表示」である。店の信用に拘わ(続く) -
新住まいの「ことわざ」<192> 渇して井を穿(うが)つ 松岡英雄
踏切には遮断機がある。交通量が少なければ警報器が設置してある。標識だけという踏切もある。昔、近くを走る東海道線の踏切には踏切番のおじさんがいて、遮断機の上げ下げをしていた。雨や雪の日には大変だなあと(続く) -
新住まいの「ことわざ」<191> 店を仕舞う 松岡英雄
朝日新聞水曜朝刊に「CM天気図」を連載していた天野祐吉さんの訃報は突然だったので驚いた。書き溜めをしない人だったらしくコラムは予告なく終わってしまった。連載1132回というからすごい。あの軽妙な文章にお目(続く)