相続・遺言執行者の体験談 記事一覧
相続・遺言執行者の体験談
不動産鑑定士、税理士として東京都千代田区岩本町に事務所を構える横須賀博氏。
88歳になる今も本業に、後進の指導に余念がないが、高齢社会になってブームの様相を見せる相続対策や遺言などについて、遺言執行者としての自らの体験を語った。
税理士歴50年以上、接した数多くの相続事案の中から、悔やまれる「失敗談」を中心に紹介する。事情は複雑でも、気持ちよく相続するツボがそこにある。
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相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(23) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 おわりに 相続事案処理の際、いつも思うこと 義理の親を介護する嫁への配慮を
義理の親を介護する嫁への配慮を 出生率の減少傾向と長寿命化から、近い将来高齢者の医療介護費用負担が増加することは必至である。加えて、子供が親の老後を世話するという風潮が薄れ、政府や他人に一任と(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(22) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その21 地価下落時の紛争は時間との戦い
6年で評価額は4分の1に 雑貨を輸入販売するある貿易会社のA社長は明治生まれの江戸っ子であり、夫婦と2人の子供、長男Bと次男Cとの家族4人で仲むつまじい生活を送っていた。 その後、長男Bは結婚した(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(21) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その20 「その余の財産」は誰に相続させるのか
問題が残った遺言書の内容 先日ある会社の経理担当役員のAさんより「相続問題があったのでぜひ聞いてほしい」と、次のような話をしてくれた。 Aさんの話によると、「わずかな財産なので、この程度な(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 不動産鑑定士・税理士横須賀博(20) その19 依頼者に応じた減税手法
バブル崩壊と不動産会社経営 ある中小企業の不動産業者Aさんは、昭和40年代に個人経営で事業を開始した。当時は、年ごとに地価が上昇したこともあって、事業は拡大を続けた。このため、ある程度の資金を留(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 不動産鑑定士・税理士横須賀博(19) その18 税の知識は何にも代え難い対策
仲の良い長男長女と株式相続 ある会社の社長は大正生まれの筋金入りの経営者で、会社の経営も順調なために同業者からの信頼も厚く、推されて組合長という役職を長く続けてきた。そんなことで、黄綬褒章を受(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(18) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その17 相続税課税時における借地権割合
地主に借地権を返還したケース 戦前Aが所有していた借地権付建物は戦災に遭い、辺り一面が焼け野原となった。時を経てAがその場所を探したところ、その場所には既にBが建物を建築していた。このため、その(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(17) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その16 公正証書遺言でも相続人の心は支配できない 大地主の後継者とその姉妹
大地主の後継者とその姉妹 Aは郊外で農業を営む大地主であったが、市街化区域内農地の宅地並み課税制度の導入をきっかけに農地の有効活用を検討し、その農地を貸店舗や賃貸マンションなどの事業用資産とし(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 不動産鑑定士・税理士横須賀博(16) その15 遺言書より家族会議による幸せの共有
予兆を心得て事前対策を 相続時の相続人間の紛争を防止するためにと、公正証書遺言や秘密証書遺言を生前に作成しておく必要性が最近特に話題となっている。これは、「兄弟は他人の始まり」という、昔からの(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 (15) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その14 居住用財産とその取り扱い 建物が古くやむを得ず売却
建物が古くやむを得ず売却 かつて名のある中小企業の役員の任にあったA氏(以下「父」という)は86歳であったが、妻に先立たれ、ホームヘルパーなどの手を借りて生活していた。 住まいは土地300m2で建(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(14) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その13開始前3年以内の贈与は相続財産 計画的な承継目指した経営者
計画的な承継目指した経営者 ある会社の社長は、鉄鋼関係の会社の経営者として精励していた。子供は兄弟2人で次男は長男と波長が合うというか、常に一歩下がって長男と接するという円満な間柄であった。そ(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(13) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その12 肉親間での不動産の共有登記は禁物
共有持分は紛争の元 戦中派であったX氏は多くの土地を所有していた。その後時の流れとともに、大部分は処分したものの、売れずに残った1200m2の貸地は実測することもなく、目測で6区分とし、6世帯に賃貸し(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(12) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その11 相続は残された配偶者の心を満たすこと 現金を生まない家宝だけでは
ある会社の社長は絵画の蒐集家で、世界的に有名な絵画や日本を代表する絵画も数点所有し、地下に温度差の無い絵画専門の部屋を設けて保存していた。 私は絵を鑑賞することを趣味の1つとしているが、それらの絵を(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(11) 不動産鑑定士・税理士横須賀博 その10 兄弟は他人のはじまり<その2> 兄は国立大、弟は私大の場合
私が相続税の処理に当たり、もめた兄弟間の紛争で、特に印象に残ったものの中に次のような事案があった。 兄は国立大学を卒業後、国家公務員となり、弟は私立大学を卒業後、親が経営する会社の専務となっ(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 不動産鑑定士・税理士横須賀博(10) 兄弟は他人のはじまり<その1>
次男と同居していた元役員 ある上場企業の元役員の死亡に基づく相続問題を解決して欲しいと長男から依頼があった。 この家の家族構成は、亡くなった元役員の配偶者は既に亡く、長男は外国企業に勤務(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(9) 相続税納税件数は死亡者の4.2% 知人の娘婿の死亡による相談
しばらくぶりに、田舎の同窓生のA君から電話があった。その内容は娘の主人が亡くなったので、「相続税のことで相談に乗ってもらいたい」とのことであった。 相談の内容は次の通りであった。 「実は(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談 (8) 嫡出子も非嫡出子も同じ人間 予期せぬ相続人の出現
相続は人の死によって開始されるが、それには遺産の確認はもとより、まずは、故人の戸籍謄本と除籍謄本によって相続人を確定しなければならない。一般の家庭では通常、特殊な事がない限り戸籍謄本を目にする機(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(7) 遺言書は健康なうちに書くもの
半身不随となった事業家 遺言書には通常は自筆証書遺言書、公正証書遺言書、秘密証書遺言書がある。 その他、危急時遺言や隔絶地遺言等があるが、その中でも公正証書遺言書作成に立ち会った際の出来(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(6) 相続問題は相続税の上に成り立つ
中小企業の名義株の取り扱い 「わが社のホームページを見たので」と前置きして、相続税の申告にかかる相談があった。そこで亡くなられた方の職業を聞いたところ、「中小企業の社長であったが、今は長男であ(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(5) 将来の予測に確実なものはない
勧めた生命保険会社が倒産して 節税対策として「借り入れをすると節税になる」という言葉を耳にするが、それは借り入れをして、評価資産である不動産を購入するなどの手法の結果として税額が少なくなると理(続く) -
相続税にかかる遺言執行者(遺産分割協議書のアドバイザー)の体験談(4) 努力で債務超過を挽回した社長
努力で債務超過を挽回した社長 ある企業の社長はバブル時代の失敗から債務を負うこととなったが、その後の努力によって完済までは至らないものの債務超過とはならずに済んだ。そんな社長の死亡による相続事(続く)