タスキホールディングス(東京都港区)は、2024年9月期第2四半期の決算を発表した。同社は2024年4月1日に、タスキ(同住所)と、新日本建物(東京都新宿区)の両社の経営統合で設立された経緯から、今回は、タスキが2024年9月期第2四半期の決算、新日本建物が2024年3月期の発表となった。
単純合算で売上規模557億円の企業グループが始動した。決算説明会では、2026年9月のプライム市場上場への目標を示したほか、空き家活用事業や富裕層向けのウェルスマネジメント事業の強化などを図る方針を示した。
今期のタスキ単体では、売上高が前年同期比64・7パーセント増の112・1億円、経常利益が同10・3パーセント増の11・4億円となった。2四半期累計で過去最高の販売件数38件を記録し、売上高が伸長した。経常利益は第1四半期の減益をカバーして2半期累計で過去最高額を更新した。
また、今期の新日本建物単体では、売上高が前年同期比22・3パーセント増の258億円、経常利益が同35・7パーセント増の24・6億円となった。売上高と経常利益で共に、期初計画を上回って着地した。
同社は、2024年4月に、資産コンサルティング事業や空き家情報プラットフォーム事業を展開しているオーラ(東京都港区)を子会社化している。タスキホールディングス代表取締役社長の柏村雄氏は、今回の決算説明会で、「プラットフォームのDXの仕組みを活用し、空き家情報をグループで共有し、AI(人工知能)で分析をする。既存事業の深耕や、相続時のコンサルティングなどの営業強化と新規顧客開拓で富裕層向けのウェルスマネジメント領域の事業を強化する。現在の『団塊ジュニア世代』が相続のタイミングに入っており、従来のような地方部だけではなく、都市部でも相続に関連する空き家活用の需要が高まると予想される。当社の幅広い建物ボリュームに対応できる不動産開発事業の強みを生かせる機会になる」と、子会社化の相乗効果や今後の方針を説明した。
また、柏村代表は続いて、グループ会社のZISEDAI(同住所)が展開しているSaaS事業に関しては、「物件情報管理サービス『TOUCH&PLAN』の機能をアップデートする。第一段階として投資用マンションディベロッパー向けに外販を始める。現在、開発検証中だが、複雑な道路条件や用途地域境を含む敷地に対応できるよう機能を拡張する。より一層簡便にデータを基にした建築可能なボリュームプランをデジタルで生成できるようにする。更には、物件情報管理サービス『TASUKI TECH LAND』と合わせて、当社のDXサービスの導入企業が開発用地の仕入れや企画、建築、販売から、金融面の融資までのエコシステムを構築する。デジタル空間上で容易にこれらの業務を完結できるデジタルプラットフォームの提供を通じた新たな体験価値の提供により、不動産市場のより一層の円滑な流通に貢献していく」と今後を展望した。