国土交通省は3月18日、25年地価公示を公表した。全国の全用途平均は2.7%上昇(前年比プラス0.4ポイント)、住宅地は2.1%上昇(同プラス0.1ポイント)、商業地は3.9%上昇(同プラス0.8ポイント)と、いずれも4年連続で上昇し、上昇率の幅も拡大した。また、工業地は4.8%上昇(同プラス0.6ポイント)で9年連続の上昇。
同省地価公示室は、「景気の緩やかな回復の中、全体として上昇基調が続いている」と説明する。ただし、地域によって地価上昇幅の動きに温度差が生じるなど、前年とは異なる様子も見られた。「地方圏その他」における上昇幅拡大の継続に対して、「地方4市」(札幌・仙台・広島・福岡)平均では上昇幅が縮小し、三大都市圏のうち名古屋圏でも上昇幅が縮小している。大都市圏が全体の地価をけん引するという基本的な傾向は変わりないものの、地方圏の伸びも全体を底上げしている状況だ。
全国の最高価格地及び価格は、19年連続となる東京都中央区の商業地「中央5の22」(山野楽器銀座本店)で6050万円(前年比8.6%上昇、前年比プラス5.1ポイント)。なお、今回は地価公示として初めて、「令和6年能登半島地震」の影響による地価変動を反映。地価下落率のワースト10地点において、住宅地は全て、商業地はワースト7位までに石川県内の被災地が並んでいる。
地価公示は、各標準地点の1平方メートル当たりの価格を判定・公示するもので、今回の公表内容は全国約2万6000地点を対象とした25年1月1日時点の価格。
【詳報記事は本紙3月19日号に掲載】
(写真) 19年連続で全国の最高価格地となった東京都中央区の商業地「中央5の22」(山野楽器銀座本店)