国土交通省は7月30日、6月分の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は前年同月比7.3%増の7万6312戸で、4カ月連続の増加となった。分譲住宅は減少したが、持ち家および貸家が増加したため。直近10年間では下から4番目の水準となる。
新設住宅着工床面積は629万5000m2(前年同月比7.4%増)で3カ月連続の増加となった。また季節調整済年率換算値は86万6000戸(前月比1.0%減)で、2カ月連続の減少となった。
戸数の内訳を見ると、持ち家は2万6151戸(前年同月比10.6%増)で8カ月連続の増加。民間資金による持家が2万3632戸(同11.1%増)と8カ月連続で増加したことに加え、公的資金による持ち家も2519戸(同6.1%増)と2カ月連続で増加したため。
また、貸家は2万9802戸(前年同月比11.8%増)で4カ月連続の増加。このうち公的資金による貸家は1859戸(同24.7%減)と先月の増加から減少に転じたものの、民間資金による貸家は2万7943戸(同15.5%増)で4カ月連続の増加となり、貸家全体の戸数を押し上げた。地域別に見ると、中部圏や近畿圏で貸家は二桁の大幅増加となっている。
一方、分譲住宅は全体では1万9877戸(前年同月比1.5%減)で、先月の増加から再び減少に転じた。このうちマンションは7024戸(同16.6%減)で4カ月ぶりの減少。同省建設経済統計調査室によると、直近10年間では最低水準となったが、「大規模案件が少なかった影響が出ている」と説明する。
他方、分譲戸建ては1万2654戸(同8.5%増)で、直近10年間では上から2番目の高水準となった。18カ月ぶりにプラスに転じた前月から2カ月連続増加となり、回復の兆しが見えてきたようだ。