競売不動産のプロフェッショナル、競売不動産取扱主任者。
一般消費者に競売に対するアドバイス及びサポートが出来ます
競売不動産取扱主任者とは、不動産競売のプロとして一般消費者に対し、競売に関するアドバイス及びサポートをするための一定の知識を持っていることを示す民間資格です。
競売不動産購入者への助言や代行には、何の法律の制限もなく、宅建業者でなくても「競売代行業」等の開業が可能であるため、昨今様々なトラブルが発生しています。
これらを背景に一定の知識、能力の資格制度を設けることによって、消費者が安心して競売不動産の購入ができるように、2011年に第1回、2012年に第2回試験を実施しました。3回目となる2013年の試験からは従来受験資格とされていた宅建試験合格者の要件が撤廃され、より多くの人に受験する機会が増えました。(なお、合格後の登録には宅建合格が必要です。)
競売不動産取扱主任者の業務
不動産競売の専門家として、一般消費者に競売に対するアドバイス及びサポートが出来るのが「競売不動産取扱主任者」です。一般流通物件と裁判所競売物件では適用される法律に違いがあります。前者が宅建業法であるのに対して、後者は民事執行法です。
競売手続に関する知識はもちろんのこと、民法、民事手続法その他多岐に渡る法律を知らなくてはならず、また経験も重要です。裁判所競売物件は物件内覧ができないため、物件そのものの選択眼も必要になってきます。
宅地建物取引主任者は不動産のプロであっても、不動産競売について知識がないことも見られるため、消費者に向け解放されつつある不動産競売のアドバイザーが必要になるのです。その際に、「競売不動産取扱主任者」が活躍していくこととなります。
このように業務の幅も拡がるため、地元地域での「不動産のプロフェッショナル」として多くの合格者が一般消費者から絶大なる信頼を得ています。
競売不動産取扱主任者の活躍の場
不動産業従事者
「競売で物件を手に入れたいけど、どうしたらいいのか分からない・・・」というような消費者ニーズが増大している昨今、競売のプロとしてお客様と接することが出来れば、お客様からの信頼度は大いに増します。その結果、新規顧客の開拓、事業の安定に繋がります。
また市場の特殊性により、大手事業主が参入しにくく、地元地域の「不動産のプロフェッショナル」として活躍している合格者もいます。
金融業等従事者
最近の法改正により、競売物件の購入時に住宅ローンを利用することができるようになりました。今後はこういったローンを利用する人が増えることが予想されますので、競売不動産に関する知識を有する専門家が必要とされます。
このような環境で、資格を取得し、業務に活かしている合格者も多くいます。
試験日程 (2020年度)
受験案内配布期間 | 8月1日(土)~10月31日(土) |
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出願締切 | 10月31日(土)(消印有効) |
試験日 | 12月13日(日) 14:00~16:00 |
試験地 | 札幌・仙台・新潟・金沢・埼玉・千葉・東京・横浜・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇 |
受験料 | 9,700円(税込) |
受験資格 | なし |
合格発表 | 2021年1月13日(水) 9:00 |
※詳しくは試験機関にお問い合わせください。 |
試験データ (2019年度)
受験者数 | 1,755名 |
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合格者数 | 547名 |
合格率 | 31.16% |
実施団体 | 一般社団法人不動産競売流通協会 |
住宅新報からワンポイント
23年度の第1回試験からの申込者数は約10,000人。主催する不動産競売流通協会が当初予想していた人数の2倍に達した初年度から、申込み者は増加しています。「プロ志向」を強く打ち出す同資格に対する注目度の高さがうかがえます。
29年度の合格率は約40.2%。現時点で難易度はそれほど高くありません。ただし、昨年の受験者数の多さを踏まえると、今後人気資格としての地位を獲得する可能性も大。それに伴い難易度が上がることも予想されるので、取得を考えている場合は早目の受験が賢い選択かもしれません。
合格後,主任者証の交付を受けるには、原則として「登録講習」の受講が必要となっており、更に高度な知識や実務ノウハウを身に付けるための講座も用意されています。