■事前に滞在体験をイメージ、予約獲得を後押し
「バーチャルツアー」は、サイトに登録している物件をパノラマ画像として閲覧できる機能。宿泊先を探しているサイト利用者は、まるで家の中を歩いているような仮想空間を通じて、事前に擬似的な滞在体験をイメージすることができる。
パノラマ画像のメリットは、2Dの写真だけでは伝わりにくい広さや高さ、大きさ、各設備を確認できる点だ。特に訪日外国人旅行者にとっては、サイズ感の確認は不可欠要素。物件の外観から内観、眺望だけでなく、使用する水周り設備や家具類の仕様・サイズが視覚的に確認できるという利便性に加え、安心して予約ができ、さらに実際の物件と掲載写真とのギャップが少なくなるため、旅行時に高い満足感を得ることができる。
1棟貸しのバケーションレンタルを強みとしている同社の場合、サイト利用者は3人以上の家族・グループが多く、滞在日数も平均6日と、単身旅行者と比べて長いため、快適性や眺望などに加えて広さを重視する傾向にあるという。「バーチャルツアー」はより確実な情報を提供することができるため、利用者が検討している近隣候補物件との差別化と、予約確定を後押しするポイントにもなる。結果として旅行時の顧客満足度の向上と、高いリピート率につながり、物件オーナーにとっても大きなメリットとなり得る。実際に、「バーチャルツアー」を先行導入している米国では、未導入物件よりも導入物件のほうが、予約獲得が高くなっているという。
■プロによるパノラマ撮影で“リアルな体験”
撮影は同社が提携しているパノラマ画像撮影専門カメラマンが行い、撮影時間は約2時間。ダイニングルームやリビング、外観や窓からの眺望に加え、キッチンやバス、トイレといった生活設備も撮影し、約2週間でサイトにアップされる。パソコンやモバイル(スマートフォンやタブレットなど)向けWebサイトの両方で閲覧することが可能となる。
今回のサービス期間中は、東京・大阪・京都・北海道・沖縄の5地域で、50㎡以上の物件(150物件)を対象に、撮影・アップロード費用を同社が負担し、物件オーナーにそのメリットを体験してもらう計画。本格導入後は、物件オーナーが撮影協力会社に直接依頼し、アップロードも自身で行うことになる。また、通常の写真などの画像については、物件オーナーがカメラやスマートフォンで撮影したデータにも対応する。※応募者多数の場合は、抽選となります。
VR技術の進化で、より多くの情報がWebサイトを通じて提供できるようになり、差別化も多彩になってきているが、今回の「バーチャルツアー」のような360度のパノラマ画像サービスは、競合他社大手でもまだ導入されていない。同社では旅行者の滞在体験の快適性・充実化と予約獲得の増加を目指すため、「バーチャルツアー」サービス導入を決定。本格展開後も、さらなるサイト利用者の利便性と物件オーナーのニーズに合致したサービスを強化していく方針だ。