酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶80 伊東 元気 市場に出せない小魚が絶品
伊東駅を降りたち駅前ロータリー右方向の「湯の花通り」を歩くと、その先の「キネマ通り」という閑散としたアーケード街が終わる五叉路交差点の手前に、居酒屋「元気」がある。以前、筆者は仕事の関係で東松原町に(続く) -
酒場遺産 ▶79 伊東 和食家 一粋 温泉街で東京にない珍味に舌鼓
伊東は熱海駅からJR伊東線で約25分の、言わずと知れた温泉町である。古くは平安時代から湯治場として栄え、幸田露伴、川端康成、尾崎士郎などの文人が訪れたことでも有名だ。別府温泉・由布院温泉に次ぐ湯の湧出量(続く) -
酒場遺産 ▶78 野毛 日の出理容院 バーと気づかない立ち飲み店
川に向かって湾曲して張り出す野毛都橋商店街の近く、斜めに入った路地に面し不思議なバーがある。歩いていても見過ごしてしまうような入口、看板もなく曇りガラスには「日の出理容院」とだけ縦書きに書かれる。中(続く) -
酒場遺産 ▶77 横浜野毛 末広 最高の焼鳥を最高の状態で
野毛には、いくつか名店と言われる焼鳥屋があるが、「末広」はその中でも最も知られた人気の焼鳥店である。引き戸を開けると、左手に厨房とカウンター、右手に2人掛けのテーブル席、奥に小上りがある(全37席)。昭(続く) -
酒場遺産 ▶76 高円寺 小杉湯とはらいそ バラック風の酒場
高円寺ラバーの筆者は、南口の「小料理屋 休」(本紙連載第9話)で飲み、中通り商店街の「唐変木」(第75話)で〆ることが多いのだが、たまに「小杉湯」へ歩くこともある。飲み過ぎの方にはお薦めできないが、酒の後の(続く) -
酒場遺産 ▶75 高円寺 唐変木 昭和にタイムスリップ
高円寺駅北口から北西方面に走る、小さな飲食店や風俗店などが並ぶ中通り商店街(セントラルロード)を5分ほど歩くと「高円寺村大字居酒屋 唐変木」と書かれた小さな看板が路上に置かれている。そこを左手の幅1メー(続く) -
酒場遺産 ▶74 高円寺 一徳 JAZZと大将で人気店に
高円寺はちょっとアナーキーで魅力的な街だ。個性的な酒場も多い。その一つが駅から徒歩5分ほどの「一徳」である。狭い店だがコの字カウンターに12席、厨房では大柄で丸刈りの大将(山下さん)がワンオペで忙しく働(続く) -
酒場遺産 ▶73 札幌 ふらの 気持ちの落ち着く良い酒場
昨年、毎年恒例のセミナー講師の仕事で札幌を訪れた。5月下旬の札幌は湿度も低く快適だ。中島公園では花々が咲き、木々もまだ新緑で眩しい。この仕事は20年以上続けているが、この美しい時期に札幌を訪れることを(続く) -
酒場遺産 ▶72 札幌 第三モッキリセンター 店先の角打ちが始まり創業98年
札幌テレビ塔を超えて創成川を渡ると、通りの街灯もまばらとなる。そんな場所に、「正統九十年第三モッキリセンター」のひときわ明るい看板が光る。暖簾をくぐり引き戸を開けると、30人ほどが座れるコの字カウンタ(続く) -
酒場遺産 ▶71 神戸・三ノ宮 金杯 森井本店 大正7年創業、燻し銀の老舗酒場
仕事で神戸三ノ宮へ出掛けた夜、先方との懇親会も終わり、一人ふらりと賑わう阪急三ノ宮駅近くの遊歩道を歩く。お洒落な神戸の街とは違った空気が流れるガード下の路地がある。ここに、目当ての金盃「森井本店」が(続く) -
酒場遺産 ▶70 蒲田 スズコウ 昭和44年創業、鰯料理と焼鳥の店
JR蒲田駅から京急蒲田駅に続く中央通りにある「スズコウ」が、以前から気になっていた。先日、あるツアーに参加した仲間たちとの懇親会をこの店で開き、初めてこの店に入った。赤提灯「鳥いわし」の通り、鰯料理と(続く) -
酒場遺産 ▶69 神田須田町 焼鳥ハロー 昭和9年に創業 女将は2代目
日本橋から歩いて帰る途中、神田須田町一丁目を通った。この辺りは、かんだやぶそば、神田まつや、ぼたん、竹むらなどの古くからの料理屋や蕎麦屋などが並ぶ風情のある一画だが、鮟鱇で有名な「いせ源」と、最近人(続く) -
酒場遺産 ▶68 西荻窪 酒蔵千鳥 昭和30年創業の老舗酒場
西荻窪(通称「西荻」)は中央線沿線の個性的な街の中では、比較的小さくヒューマンスケールだ。周辺には品の良い住宅街が広がるが、駅前の狭い通りには小さく魅力的な酒場が集積し、日の高いうちから酒飲みが集まる(続く) -
酒場遺産 ▶67 蒲田西口 鳥万 一種独特の解放感で一杯
蒲田は酒飲みの聖地である。JR京浜東北線蒲田駅と、東に800メートルほど離れた京浜急行京急蒲田駅の間の蒲田東口商店街には大小様々な酒場が並ぶ。筆者も勤め人時代には羽田からの早朝フライトのために蒲田のビジ(続く) -
酒場遺産 ▶66 湯島 玉善 刺身の盛り合わせ お薦め
湯島「玉善」。繁華街のど真ん中にある創業44年の老舗酒場。春日通りから少し入った居酒屋やバーなどが並ぶ路地に面しているが、店の構えは湯島の繁華街の中でもひときわ昭和の趣きだ。料理も酒も美味く、3階建て(続く) -
酒場遺産 ▶65 湯島 酒亭 ふ多川 訪れた旦那衆は圧巻の顔ぶれ
不思議なことがあるものだ。筆者が住む湯島の家からほど近い不忍通り沿いに、暖簾に大きな字で「酒」と書かれた間口1軒ほどの小ぎれいな店「酒亭 ふ多川」を見つけた。いつも歩いている場所のはずだが気がつかなか(続く) -
酒場遺産 ▶64 池袋 酒場ふくろ 創業70年、朝から飲める酒場
1953年(昭和28年)創業の池袋を代表する老舗酒場である。創業当時はバラック、現在はビルとなったが、商売の姿勢は創業時と変わらないという。池袋西口の東武百貨店と東京芸術劇場に挟まれた駅前ディープゾーンの2(続く) -
酒場遺産 ▶63 立石 いせや総本店 立石支店 西と東のいせや
久しぶりに京成立石に行った。城東の「酒都」として名を馳せた立石だが、駅周辺の再開発に向け、昭和遺産のんべい横丁は更地となり、駅前立石仲見世アーケードもシャッター街となりつつある。なんと愚かなことをす(続く) -
酒場遺産 ▶62 豊橋 和乃家 昭和にタイムスリップした街並み
豊橋駅西口を降りると右手方向にバラック風の平屋トタン板の飲み屋が続く。昭和にタイムスリップしたような街並みだ。その中に名店「酒と旬彩 和乃家」がある。低い暖簾をくぐるとカウンターのみ8席、女将さんと手(続く) -
酒場遺産 ▶61 豊橋 カク一 大正4年創業、最上の酒場
昭和の面影を残す街、豊橋。この街に住む友人の道案内でディープ豊橋を堪能した。JR豊橋駅東口を降り5分ほど南へ歩くと不思議な光景に出くわす。長さ800メートルに渡り、中層の古い長大下駄履きアパートが橋の欄干(続く)