首都圏の大学生13人とエイブルが協同し、木造賃貸アパートを再生するプロジェクトが進行中だ。
「木造賃貸アパート再生ワークショップ2011」と名付けたもので、マーケティングやリニューアルプランの作成、宣伝方法などを大学生13人が分担して手掛ける。仲介についてはエイブルがバックアップする。また、ブルースタジオの大島芳彦氏やアトリエイーゼロサンの天野美紀氏らが、アドバイザーとしてサポートに入る。
今回手掛ける物件は、東京都調布市の築20~40年超の3棟の木造賃貸アパート。老朽化が進み、空室が目立つ物件だ。プロジェクトチームの代表を務める慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程の連(むらじ)勇太朗さんは、「新築指向の傾向は依然として強いが、木賃(木造賃貸)には、時間の経過が生み出した素材感や雰囲気など新築にはない隠された価値がたくさんある。大きな可能性を秘めた建物」と話す。
「リフォームの値段でリノベーションの価値を」をテーマに、1住戸あたり50万円前後の費用で再生を図る方針で、「窓枠の太さを変えるなど、ちょっとした工夫で物件の価値は上がる」(連さん)。それらのアイデアをまとめた「再生レシピ」なる冊子も用意している。
参加する13人の大学生は、慶應大のほか武蔵野美術大、首都大学東京、筑波大、多摩美術大、立教大、日大、芝浦工業大、法政大など様々。8月から再生に向けた工事に入り、9月にも完成する予定だ。