オフィス仲介大手の三幸エステートが11月10に発表したオフィス市況によれば、東京都心の大規模ビルの空室率は10月時点で5.14%(前月比0.07ポイント低下)となった。新築ビルや築浅ビルを中心に空室床の成約が進んでいるため。ただ、依然として5%台の高水準で推移しているとし、潜在空室率も前月比0.24ポイント低下したが、7.47%の高水準にある。
募集賃料は、1坪当たり2万8027円(前月比27円安)となった。大口の募集床を抱えるビルを中心にテナント誘致を目的とした条件の見直しやキャンペーンが行われているとした。区別で見ると、港区が8%台に乗っているが、渋谷区では2020年9月以来の1%台まで低下している。同社の今関豊和チーフアナリストは、「渋谷駅周辺に集積するIT系企業で出社率を高めたり、拡張移転などの動きが活発になっている。新築ビルや建築中ビルへの引き合いも強く需要は堅調だ」としている。