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1963年竣工「新東京ビル」 大規模リニューアル 三菱地所

 三菱地所、三菱地所プロパティマネジメントはこのほど、丸の内との結節点で有楽町の玄関口に位置する「新東京ビル」(写真)の、1階北西角地約1000平方メートルの大規模店舗区画と3、5階をリニューアルした。その他のフロアも順次リニューアルを進め、全体の完了は2025年度中の予定。

 22年8月に始まった大規模リニューアルは、各階ごとに異なるフロアデザインを施し、オフィスワーカーが自由に利用可能なラウンジスペースを各階に設置していく。

 窓ガラスはLow-E複層ガラスに全面更新することで、熱負荷の低減を図り省エネ性能の向上を目指す。1階中央部の円形照明、床・壁のモザイク調のアートタイルは価値あるビンテージとして残し、基準階においては開業時からの素材を生かすなど、ストック型リノベーションを随所で展開。ヴィーガンレザー(動物由来の原材料を使わずにつくられた人工的な皮革)を使用した什器やリサイクル素材の壁面タイルなどで、内装部も環境配慮を重視していく。

 丸の内中通りに面した1階コーナー部には、新たにピロティ空間をつくり、これまで建物のファサードによって閉じられていた空間を、丸の内・有楽町の就業者および来街者が平日・休日問わず利用できる屋外空間にリニューアル。ピロティは食物販店舗のオープンに合わせて、11月頃に開放の予定だ。

 リニューアルが完了した3、5階の基準階には、約30点のアート作品を設置した。各階のフロアコンセプト(3 階は「Villa」、5階は「Lounge」)から関連・連想される作家・作品を選定したほか、通常は廃棄される周辺ビルの仮囲いアートをリメイクした作品も導入している。

 同ビルは1963年竣工の複合ビル。JR各線、丸ノ内線「東京駅」直結。敷地面積9827平方メートル、延べ床面積10万2768平方メートルの鉄骨鉄筋コンクリート造で、地上9階地下4階・塔屋3階。

 20年には先行して4階フロアを全面リニューアルし、イノベーション拠点「Shin Tokyo 4TH」をオープンさせている。