2018年12月、北千住に、築50年の工場+住宅を改装した「Biene Biene」という物件がオープンした。駅から徒歩10分、古い住宅も残る一角で路地に面して工場があり、その背後に2階建ての住宅がある。改装後は、工場を土足で入れる共用スペースとし、住宅を上下5戸のシェアハウスとした。
外観は黒を基調にしている。スマートロックを採用
約30畳、広めの共用スペースにはキッチン、タイプの異なる椅子、テーブルのセットが置かれている
まず、共用スペースだが、約30畳大の広さがあり、全体はダークな色目の男っぽいインテリアになっている。
ソファのあるコーナー。煉瓦柄の壁紙と相まって重厚な雰囲気
共用スペースについては、給排水、電気工事など専門家が必要な部分以外は、オーナーがDIYで造作したそうだ。
ケーブルドラムを利用したテーブル。椅子も場所ごとに異なるタイプ
特徴的なのは、材の選び方や使い方。古いドアを利用した天板に使ったテーブルがあったり、ケーブルドラムがテーブルになっていたりする。
キッチンは業務用。ここでも男っぽい、無骨で実用性を重んじたテイストに
天井に吊るされたフェンスからはさらに缶が下げられている。工事現場で使う品など安いものを使いながら、そうとは見せないのはテクニックだ
トイレットペーパーホルダーはパイプ。ストック品もパイプに通して置くようになっていた
入ったところの壁。黒板塗料にやはり、パイプを上手に使っている
共用スペースからシェアハウスへ続く玄関部分。きちんと鍵が締められるようになっている
共用スペースについては、入居者が使う以外に、昼間は時間貸しのスペースとしても活用する方針で、すでにテレビ番組制作会社などからの申し込みがあるという。
■各室それぞれのインテリアが特徴
この共用スペースの奥にシェアハウスがあるのだが、不特定多数が入る可能性があることから、シェアハウスとの間に鍵のかかる引き戸が用意されており、貸しスペース利用者がいる場合には締められるようになっている。
アクセントクロスを貼った室内。照明も凝っていて面白い
シェアハウスは各階に5戸ずつ、4畳半の部屋が用意されており、室内にはベッド、デスクと椅子、そして冷蔵庫が備え付けられている。
ロフトタイプのベッドが置いてある部屋
各室に異なるアクセントクロスが貼られており、照明もそれぞれに違う。また、ベッドのタイプが異なる部屋もある。
2階のランドリースペース。向かいの窓際にミニキッチンがある
水回りは1階にシャワーブース2つ、トイレ、洗面所、2階にシャワーブース1つ、トイレ、ランドリースペース、ミニキッチンが設置されている。2階には洗濯物が干せるよう、バルコニーもある。風呂はない。また、最近はテレビを所有、見る人が少ないという理由から、テレビジャックは用意されていない。
廊下に設えられた洗面所。このデザインなら剥き出しでも気にならない
賃料はもっとも狭い部屋で5万4000円で、そこに共益費1万5000円が付く。ポータルサイトで入居者の募集を始めた翌日には、内見予約が入り、内見に来た3人中3人が、申し込みを入れたそうだ。
2階の部屋は天井が高く、面積の割りには開放的
気になるのはかかった費用だが、土地面積60坪ほどに建つ160㎡の建物は約2000万円。改修にかかったのは屋根の修繕、給排水や電気工事、シェアハウス部分の内装工事などで約2000万円。土地は借地なので月に4万5000円の借地料が必要となる。
シェアハウスの玄関部分。上手に古いモノを活かしている
トータルで約4000万円の投資だが、賃料や部屋数を考えると、数年ほどで回収できることがわかる。そこに貸しスペースとしての利用が加われば、さらに利回りは良くなる。
築50年の工場と古家といえば、空き家となって朽ちるか、解体して更地というイメージだが、工夫次第で、このように活かすこともできるという好例といえそうだ。
(参照:借地を活かして高収益!築50年の工場+住宅をDIYでシェアハウス&貸しスペースに)
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