積水化学工業は1月5日、生物多様性をテーマとした国際イニシアチブ「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の提言に賛同し、同提言に沿った情報開示を行う「TNFD Adopter」へ登録した。
TNFDはグローバル・キャノピー、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、WWF の4機関が中心となり、21年6月に発足。自然環境の変化や生物多様性が自社の業績に及ぼす影響などの自然資本に関する情報開示を義務付けている。用語やアプローチが気候変動をテーマとした国際イニシアチブ「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」と共通している点が多く、TCFD同様、①ガバナンス、②戦略、③リスクマネジメント、④資本配分――の4本の柱を軸に情報開示を求めている。
同社は、23年7月からTNFDのステークホルダー組織「TNFDフォーラム」に参加。同年9月には、TNFDが提唱する自然関連のリスクと機械を体系的に評価するプロセス「LEAPアプローチ」に基づき、試行的に分析を行い、同時点で把握・認識しているリスク及びチャンスを「TCFD/TNFDレポート2023」にて開示した。なお、同社は19年1月にTCFDへの賛同を表明し、同提言に基づく情報開示を開始している。
今後は、更に公表された提言に基づき、取り組みの開示を進める方針だ。なお、住宅事業者では、住友林業が昨年12月に「TNFD Adopter」へ登録した。同社は22年2月にTNFDフォーラムに参加。LEAPアプローチに基づき分析したデータを含めたサステナビリティレポートを23年4月に公表している。