新型コロナウイルスの感染症拡大の影響に対し、各自治体はそれぞれ支援を行っているが、東京都や大阪府の休業要請に対する協力金をはじめ、東京・奥多摩町の独自給付金など自治体によって受けられる支援に格差が生じている。主な支援をまとめた。
テナント賃料を助成 オーナーを支援
東京・港区
東京都港区は5月12日、コロナウイルス感染防止のため休業要請されている飲食店や、物販店の売り上げ減少に対し、テナントオーナーが賃料を減額した場合に減額した賃料の一部を助成する「オーナー向けテナント賃料支援事業」を発表した。
対象は、区内で店舗等を賃貸している中小企業者(法人・個人)。助成金額は、減額した賃料の2分の1。1物件当たりの助成限度額の上限は、月額15万円。助成対象は、4月~9月分(予定)の賃料で、最大3カ月分。助成件数は1万5000物件を想定。募集開始日は6月上旬を予定し、8月末日申請分まで。
問い合わせ先は、港区産業振興課。
また、区内の介護事業所と障がい福祉サービス等事業所の家賃を助成する「事業所家賃助成」も6月1日から申請受付を開始する。助成率は4分の1から4分の3。
全町民に2万円を給付、観光協会も会員に助成
東京・奥多摩町
東京都西多摩郡奥多摩町はこのほど、町独自の「奥多摩町特別定額給付金」で町に住民登録のある人全員に1人当たり2万円を給付することを決定した。
また、奥多摩観光協会では、事業運営に影響が出ている町内の同協会会員事業者に対して助成金(10万円、複数店舗は15万円)を交付する。
事業者に家賃など30万円を助成
茨城・高萩市
高萩市は5月13日、1事業所当たり最大30万円を補助する、市単独事業の「たかはぎ小規模企業者・個人事業主応援補助金」を発表した。
対象は、同市内に事業所を有する小規模企業者・個人事業主で、最近1カ月間の売上高が前年同月比20%以上減少、かつその後2カ月間を含む3カ月間の売上高が前年同月比20%以上の減少が見込まれる人。
対象となる経費は、(1)事業所にかかる家賃等、(2)テイクアウト、宅配サービスなどの新たな販売方法の導入に要する経費、(3)コロナウイルスの感染防止のための備品・消耗品等の購入に要する経費。
問い合わせ先は、高萩市観光商工課。
医療従事者らにクオカード支給
大阪府
大阪府の吉村洋文知事は5月12日、新型コロナウイルス感染者に対応する医療従事者や軽症者の受け入れ施設の従業員に、支援金として1人10万~20万円分のクオカードを支給すると発表した。
対象は2月~4月に5日以上、業務に従事した人。医療機関で患者に直接対応する医師や看護師、技師、薬剤師らには20万円分、病院の検査スタッフや宿泊施設の従業員、送迎車両の運転手には10万円分を支給する。
10万~20万円の協力金を展開
沖縄県
沖縄県は、新型コロナウイルス感染症による経済的影響に対する支援として、(1)「感染症防止対策緊急支援事業(飲食店)」、(2)「感染症拡大防止協力金」、(3)「感染症防止対策支援事業(小売業等)」の3つの支援を行っている。1事業者につき、(1)~(3)のいずれか一つ申請できる。
(1)は、同感染症拡大等の影響で売り上げが減少している飲食店(居酒屋含む)を経営している事業者を対象に、10万円を支給する。申請受付は6月15日まで。
(2)は、緊急事態措置に基づく休業要請対象事業者で、4月24日~5月6日の全期間休業した事業者を対象に20万円を支給する。申請受付は6月30日まで。
(3)は、同感染症拡大等の影響で売り上げが減少している小売業者等を対象に、10万円を支給する。申請受付は5月15日から開始する予定。
また、全国的にコロナウイルスの無症状・軽症の患者の受け入れや医療従事者のための宿泊施設、生活困窮者等へ一時的な居所のためのホテルなどの借り上げは、ごく一部ではあるものの経営悪化に苦しむホテル事業者にとってはメリットとなっている。