売買仲介

地域密着探訪 ERAアダマス (東京都港区) 投資客軸に賃貸管理拡大

 18年2月の会社設立後、4月にERA LIXIL不動産ショップに加盟した。社名はラテン語でダイヤモンドを意味し、「輝かしい住空間を提供したい」と久万紀(くま・のり)社長。「実家に近く、病弱な母の元にすぐに行かれる範囲。入店しやすい1階の路面店舗で、坪単価が高い地域を取り扱える港区・渋谷区を中心に探した」と、18年5月に港区白金6丁目で開店した。開店直後から地元商店街の活性化にも注力している。

 売買、賃貸双方に対応した様々な不動産フランチャイズの説明を聞いた結果、ERAを選んだ。「『LIXIL』の認知度の高さに加え、コストの低さ、本部のスーパーバイザーによる毎月のショップ会議など、きめ細かいサポートが決め手」と久万社長。そのほか、研修プログラムや業務書式、加盟店同士の交流を挙げ、「看板やチラシなども用意されており、『LIXIL』の知名度と信頼度により、開店当初から安心して取引が進められた」と振り返る。

 1都3県を中心に、手掛ける物件は単身者からファミリー向けまで幅広い。少数精鋭のチームワークと意思決定の速さが強みだ。主な顧客層は個人を中心とした30~50代の不動産投資家で、投資物件の購入と同時に賃貸管理を請負い、顧客との長い取引につなげるのが同社流。「投資物件を購入したお客様は、必ず賃貸管理と賃貸募集が必要になる。一般的な売買仲介業者は対応できず、別部門での対応でたらい回しになるケースもあるが、当社では一挙に解消できる」とし、1人の担当者が賃貸仲介から売買仲介、賃貸管理、資産組み替え、相続相談、ローン、リフォームまで幅広く対応する。

 賃貸中や賃貸募集中の物件をオーナーチェンジ物件として売却に出すことや、賃貸と売買両方の相談が1人の担当者で完結するため、効率のよい募集につながる。顧客の多くは投資経験者で他社の管理から移行するケースが多いというが、「大手に負けない管理体制と割安なコスト、オーナーへのきめ細かいサポートを提供する」と投資家に選ばれる理由を分析する。

 現在は賃貸管理戸数511戸(20年4月末時点)、入居率96%(同)、賃貸仲介件数140件(18年5月~20年4月)、売買仲介件数45件(同)。売上高は売買仲介4割、賃貸仲介3割、賃貸管理2割、リフォーム・その他1割という構成だ。目下、新型コロナ感染症の影響によって、同社が得意とする投資家向けの米国不動産セミナーは休止しており、市況の回復を待ってから再開につなげる意向。また、時短営業や引っ越し客の減少により、賃貸・売買共に反響が激減しているという。

 それでも同社ではオーナーに対する賃貸募集・売買募集条件の見直し提案などを行うと共に、VR内覧やIT重説など、対面しない接客方法の導入を検討。更なる事業成長に向けて、「ERA加盟による安心と信頼をバックボーンに、今後1年以内に管理戸数1000室を目指す。管理物件からの賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理および買い増しの受注で安定した売り上げを得る」と意気込みを語った。