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ARES 固定資産税の負担調整、最重視 オフィスへの懸念に異議

 不動産証券化協会(ARES、杉山博孝会長=三菱地所会長)は11月30日、帝国ホテル東京(東京都千代田区)で理事会を開いた。理事会後の会見で、杉山会長は「資産デフレの再燃を未然に防ぐために不動産投資市場の活力維持が欠かせない。リート等が不動産を取得する際に、業界を挙げて取り組んでいる税制改正要望の実現が大変重要。特に、土地の固定資産税等の負担調整措置の延長は当協会だけではなく、産業全般に関わる非常に重要な要望」と強調した。

 リート市場の保有不動産の総額はJリートと私募リートを合わせて24兆円規模。杉山会長は「資金調達環境はよい。物流物件の取得が中心だが、それ以外でも各リートでアセットの取得が進んでいる。ただ、新型コロナの感染拡大への懸念があるので、経済全体の状況がどう変わるか、見極めていく必要はある」と説明した。一方、東証リート指数について「18年度と同じ水準。昨年にリート指数が上昇したので、上昇分が消えたという感じ」と説明。一方、オフィスへの懸念に対して「リモートという勤務形態で生産性が十分に確保できるのか、まだ分かっていない段階。従来からリモートが進展していくことは想定していたが、コロナの影響で前倒しになった」と述べ、「オフィスが今後不要になるとは全く考えていない。コミュニケーションを取るためのオフィスの必要性は徐々に理解されてくるのでは」と見解を示した。

 理事会ではNTT・TCリース(東京都港区)の準会員として入会を承認。会員数は正会員が119社、準会員が175社となる。