東京海上日動火災保険(東京都千代田区)、応用地質(東京都千代田区)は、新たな防災サービスの開発を始めた。防災IoTセンサーで取得する「浸水高さデータ」と「3D(3次元)都市モデル」を活用し、台風や集中豪雨などによる浸水被害の状況を可視化できるようにする。これまでの2次元地図では伝えられなかった〝臨場感〟を実現することで、浸水対策や避難計画の実行に寄与するソリューションを提供する。
具体的には、人工衛星データや浸水深解析に基づく「浸水エリア予測」と、冠水を検知する防災IoTセンサーによる「実測データ」を組み合わせた「リアルタイム浸水情報」をベースとして、企業などにアラートを通知できるようにする。この新たなサービスで防災や減災行動を促す。
更に、国土交通省が推進する3D都市モデル「PLATEAU」(プラトー)を活用して、防災IoTセンサーと災害状況の可視化技術を融合させたサービスも開発する。
両社は6月に戦略パートナーとして提携し、スーパーシティ・スマートシティを想定した防災サービスの開発を検討している。今回が第1弾の開発となる。今後も両社では、高度な流体解析技術やリアリティのある可視化技術を取り入れたデータ活用の高度化を図る。防災情報の伝達や企業とその関係者に災害リスクを説明する際の高度なリスクコミュニケーションツールの開発なども展開していく。