政策

斉藤鉄夫国交相新春インタビュー 良質なストック形成を加速

 斉藤鉄夫国土交通大臣が「住宅新報」ほか、建設・不動産関連専門紙の新春インタビューに書面回答で応じた。「マンション管理計画認定制度」など今年本格始動する新たなマンション政策や、脱炭素化に向けた住宅・建築物の木造普及に言及し、「将来世代に継承できる良質な住宅ストックの形成に向けて積極的に取り組む」と方針を示した。

マンション施策、木造普及に意欲

 22年は、20年に改正されたマンション管理適正化法とマンション建替え円滑化法が4月に全面施行を迎える。斉藤大臣はマンション政策の節目の年と位置付けた上で、「高経年マンションが急増する中、管理を適正化し、適時適切に修繕工事を施すことでマンションの長寿命化を進めていくことが重要」と意気込む。

 具体的には、適正な管理規約や長期修繕計画等を有するマンションを認定する「管理計画認定制度」を挙げ、「実施には、地方公共団体によるマンション管理適正化推進計画の作成が必要となるため、国交省としても引き続き計画作成を支援する」とした。

 更に「要除却認定」の対象の拡充と、敷地分割制度の創設にも言及。外壁剝落等の恐れのあるマンションについても、建替え時の容積率緩和特例、マンション敷地売却制度を活用できるようになった点、団地型を対象とした敷地分割制度が活用できるようになった点に触れ、「老朽化マンションの再生の円滑化をより一層進めていく」とした。

 脱炭素化に向けて木造普及と木材の安定確保にも注力する考えだ。本格的な利用期を迎えた国内の森林資源の活用や2050年カーボンニュートラルを目指し、「温室効果ガス吸収源対策として、住宅・建築物において木材利用を促進する」との認識を示す。21年10月に施行された木材利用促進法や、住宅・建築物分野における省エネ対策のあり方や木造建築物の基準合理化等に関する審議結果を踏まえ、次期国会へ関連法案の提出を含めた必要な措置を検討していく考えだ。

 このほか、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、スマートシティ、物流やインフラのDX等を推進していく考えを示し、「所管の政策を総動員して、デジタル実装を通じた地方活性化を積極的に推進していく」と意欲を語った。