CRM(顧客関係管理)プラットフォームを提供する米国本社の日本法人HubSpot Japan(東京都千代田区)は、日本の法人営業活動に関して21年12月に実施した意識・実態調査の結果を2月にまとめた。「買い手」に向けて好ましい営業スタイルを聞くと、「訪問・リモートどちらでもよい」が前回21年2月の2回目の調査に比べて1.5倍に増加。コロナ禍を受けて、買い手側の〝柔軟性〟が増す結果を得た。
今回の調査は、ビジネスシーンを想定し、全国の経営層・責任者・担当者レベルの、「売り手」1545人と「買い手」515人を対象に、オンラインのアンケートで実施した。
好ましい営業方法を聞くと、「訪問営業」が売り手と買い手で前回の調査よりも増えた。ただリモートでも「どちらでもよい」は、「買い手」で前回の26.5%から今回38.4%と1.5倍に増え、全体の4割を占めている。
コロナ禍の収束を仮定して、好ましい営業スタイルを聞くと、売り手は「訪問営業」が58.2%で最多なものの、買い手側は「どちらでもよい」の41.4%が最多だった。また、「リモート営業が好ましい」と回答した人にその理由を聞くと、売り手と買い手も双方1位は、「わざわざ訪問型の商談をする意味がない・リモート営業で十分」だった。
業務のデジタル化の状況で、「テレワーク」の導入率は59.6%に上る。「リモート営業」の導入率は前回の36.4%から微増して今回40.4%だった。
更に、CRMシステムは、米国で従業員10人以上の企業の91%が導入しているという。これが日本の営業組織では34.8%にとどまっている。顧客管理の方法が「明確ではない・わからない」と回答した国内の営業組織は、例年レベルの31.4%で推移している。同社では、「いわゆる〝やみくも営業〟が根強い」と指摘している。