■鉄道路線の開発は首都圏だけの話ではない。これだけある延伸計画に注目!
不動産の価値について考える中で、エリアと鉄道インフラは切っても切れない関係にある。
基本的に、多くの鉄道各社は自社沿線に商業施設や住宅・マンションといった土地開発を進める。
こういった傾向は不動産会社をはじめとする大手の民間事業者も変わらず、発展する街には個人商店も集約しやすい。こういった環境がさらに人を呼び込み、エリア全体が大きくなるサイクルが回りだすのだ。
そこで重要なヒントになるのが、「鉄道の延伸計画」だ。近年は既存路線を複々線化したり、座席指定の長距離直通便を運行したりすることでアクセスを改善し、郊外に住む人たちの移動の快適性アップ、さらには人口流出を防ぐといった努力がなされている。
これに加えて、路線の延伸で新たな宅地開発、沿線住民の定着や流入を狙うといった施策も行われている。「鉄道延伸」はエリアの発展のために欠かせないキーワードであり、情報を先回りして知っておくと、不動産関係者にとってもプラスになることは間違いない。
ここでは、現時点で計画・構想されている情報をお伝えしよう(新交通やモノレールなども含む)。
■首都圏
□東京メトロ豊住線
東京メトロ有楽町線豊洲駅~半蔵門線住吉駅を結ぶ地下鉄新線。2016年の国土交通省交通政策審議会答申に記載されたが、東京メトロは自力で建設する意思は示しておらず、正式決定はしていない。
□都営地下鉄大江戸線延伸
現在は終点の光が丘駅から大泉学園町や東所沢まで延伸するプラン。光が丘駅~大泉学園町の間はすでに導入空間となる道路が事業化されている。大泉学園町から東所沢までは構想段階。
□蒲蒲線
東急蒲田駅と京急蒲田駅をつなぎ、羽空空港へのアクセス向上を図る路線。東急多摩川線を延伸して京急蒲田駅の地下を経由、京急大鳥居駅に至る。
□エイトライナー/メトロセブン
環状鉄道計画で、エイトライナーは環八、メトロセブンは環七の地下を走る。両線は赤羽で接続する。事業化はされておらず開業時期などは未定。
□相鉄・JR直通/東急直通線
相鉄本線西谷駅から羽沢駅~日吉駅に至る新線。すでに計画は実行に移されている。
□相鉄いずみ野線延伸
現時点では二俣川駅~湘南台駅を結ぶが、湘南台駅~倉見間は2016年の国土交通省交通政策審議会答申198号に盛り込まれた。湘南台駅~慶應SFC間の延伸は具体化しつつある。最終的には平塚まで延伸される計画。
□横浜市営地下鉄ブルーライン延伸
現時点ではあざみ野駅~湘南台駅を結ぶが、あざみ野駅~新百合ヶ丘を延伸する計画。事業化に向けて調査が行われているところ。
□小田急多摩川線延伸
新百合ヶ丘駅~唐木田駅を結ぶ鉄道。唐木田駅から相模原~上溝までの延伸計画、さらに愛川町~厚木市まで延伸するプランも。
□埼玉高速鉄道延伸
赤羽岩淵駅~浦和美園駅を結び、赤羽岩淵駅からは東京メトロ南北線に直通運転を行っているが、浦和美園駅から蓮田市まで延伸するプランあり。ただし、実現のめどはたっていない。
■大阪
□なにわ筋線
JRと南海が共同で運行する新線。北梅田駅からJR難波駅を抜け、南海新今宮駅へ至る。2017年に事業化が決まり、2031年春に開業予定。
□大阪モノレール線延伸
大阪空港駅から門真市駅までの路線。門真市駅から瓜生堂までの延伸計画があり、2029年度開業予定。
■その他
□富山路面電車接続
JR富山駅を挟んで南北に走るふたつの路面電車を富山駅で接続、直通運転させる計画。現在工事が進められている。
□アストラムライン(広島高速交通)延伸
広島市中区の本通駅から安佐南区の広域公園前駅に至る新交通システム。JR西広島駅までの延伸が決まっていて、2028年ころに開業予定。
□福岡市営地下鉄七隈線延伸
現在は天神南駅~橋本駅間を結んでいるが、天神南駅から博多駅まで延伸が決定。2022年度に開業予定。
□ゆいレール延伸
那覇空港駅~首里駅間を結ぶモノレール。首里駅からてだこ浦西まで延伸工事中で、2019年10月に開業予定。
ざっと挙げたが、以上が現時点で計画・構想されている延伸の計画の一部である。(必ず実現するとは限らないので、自治体や鉄道各社のインフォーメーションを要確認)。こういった情報は街の発展に大きく影響する。普段から収集に努めておくと、いざという時に行動を起こしやすいだろう。
(参照:不動産投資の物件選定エリアはここだ!全国17路線の鉄道延伸計画に注目!! )
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