東京ビルヂング協会の中小ビル事業委員会はこのほど、災害時におけるビル事業者やテナントの安全確保を目的に、東日本大震災の経験に基づいて一部見直しを加えた2012年版の防災ポケットブックと、中小ビルの災害対応マニュアルを発表し、有償で配布を始める。同委員会では、「災害時にテナントの生命と財産の安全を守る。自社従業員の生命の安全を守る。賃貸ビル事業の継続に資する」3つの観点から、5年ぶりの改定作業に取り組んだ。
ポケットブックは、テナント自身が自ら安全を確保するための基礎知識をはじめ、安否確認、帰宅ルートの確認、災害時の行動の手引きなどの情報を、常時、携帯できるカードサイズにまとめた。ビル事業者向けとなるマニュアルは、準備編、被災編、資料編の3部構成で防災手順を示した。
同委員会によると、「少人数で運営管理されていることが多い中小ビルは特に、防災備蓄や避難誘導、建物の安全確認などソフト面をより強化することと、テナントの意識醸成と共助体制の確立が重要」とし、災害への備えや対応の一助になるよう活用を促していく考えだ。
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