政策 賃貸・管理

神奈川県山北町が定住促進、PFIで子育て賃貸 全国初の取り組み竣工

 神奈川県足柄上郡山北町で、公共施設などの建設や維持管理に民間の力を生かすPFI手法で整備した地域優良賃貸住宅(地優賃)が完成した。町の人口減少が進む中で、子育て世帯の定住促進を目的に建設したもの。このほど、竣工式を開いた。PFI手法で地優賃の整備に取り組んだ全国初の事例。山北町の湯川裕司町長は、「定住対策に関わるPFI事業という新たな挑戦。不安はあったが、全国に向けて発信できる地優賃を竣工することができた」と話している。

 地優賃は地上6階建てで、総戸数42戸。専有面積は65~80平方メートル。賃料は5万2000円~7万8000円。入居条件の1つに「18歳未満の同居者がいること、または新婚世帯など子育て世帯に成り得ること」を設けている。全戸入居契約済み。

 PFI事業者は、不動産事業を展開するユーミーらいふグループの日本PFIインベストメント(神奈川県藤沢市)が設立した特別目的会社(SPC)のやまきた定住促進パートナーズ。同社が建物を建設した。完成後は所有権を町に譲渡したうえで維持管理運営を行う。運営期間は25年。

 山北町は整備費や維持管理運営費について、家賃収入を活用して支払っていく。

 地優賃は、子育て世帯や高齢者などの住宅確保要配慮者を対象にしたもの。入居者は収入に応じて家賃が減額される。公営住宅とは入居者の収入基準が異なる。公営住宅が低所得者を対象にしている一方、地優賃は中堅所得者を対象にしている。