国土交通省は5月9日、都道府県の建築行政主務部長宛に違法貸しルーム対策を推進するよう文書で通知した。
これは、違法貸しルームについて立ち入り調査や是正指導を行っている現状にもかかわらず、埼玉県川口市で、違法貸しルームあるいはその疑いがあったにも関わらず通報されていなかった物件で火災が発生し、1棟が全焼、けが人が出た事例や横浜市での火災などを受けてのもの。
文書では、特定行政庁に対し、(1)違法貸しルームであると疑われる物件の情報について、地域住民に対し、広報誌、ホームページなどを通じて情報提供を広く呼びかけるなど情報把握に努めること、(2)調査中の物件が多数残っているケースも見受けられるので、調査等の人員を拡充するなど迅速な調査実施に向けて体制の充実を図ること、(3)消防部局との連携を図り、火災発生時には情報収集を行って、国交省建築指導課に報告すること、(4)違反是正に当たり、入居者の退去が必要な場合には、転居先の円滑な確保のため、改修工事まで十分な時間的猶予を確保することや福祉部局に相談を寄せている入居者の有無などについて、適宜情報交換するよう福祉部局等に要請すること――などを要請した。
違法貸しルームについては、14年3月末現在で、1893件が調査対象となり、853件で建築基準法または関連条例の違反が判明している。
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