長谷工コーポレーションを代表企業とする長谷工グループは、同社が「LIM(Living Information Modeling)」と名付けて進めている〝暮らしの最適化〟の取り組みを本格化する。9月末に完成予定の賃貸マンション・プロジェクト「サステナブランシェ本行徳」(千葉県市川市、全36戸)に実験住戸13戸を設置し、複数の検証内容に沿った〝暮らし情報〟を収集し、活用に向けた分析を行っていく。8月29日に詳細を公表した。
同グループは、設計情報や施工情報など建物に関する〝住まい情報〟と、建物内のセンサーなどで収集した〝暮らし情報〟を利活用し、「住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム(HASEKO BIM&LIM Cloud」として、マンション設計・施工の生産性や入居者の生活の質の向上を図っている。「LIM」はこうした取り組みで用いている仕組み・概念で、人が住み始めてからの建物の状態や設備の利用状況、人の動きなど、マンションにおける暮らしに関する情報を計測し、一元化するもの。
今回、実験住戸を設ける「サステナブランシェ本行徳」は、既存の企業者宅を全面改修し、建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目指す賃貸物件。実験住戸にはIoT機器やAI技術を導入し、各種センサーから取得する居住データを研究や技術開発に生かす計画だ。同物件における主な検証内容として、同社は「照明・温湿度・内奥による睡眠の質向上」「地震観測による建物健全性判定」「顔認証システム×AIによる防犯システム」など6項目を挙げている。
同社は、「マンションから取得できるデータを活用した既存ビジネスの高度化ならびに新たな価値の創造に向けた検討により、『LIM』を通じた〝暮らしの最適化〟の実現に向け、取り組みを加速していく」とコメントしている。