住友林業と芙蓉総合リースは、英・ロンドンで木造の増改築によるオフィス開発「ゴールデンレーンプロジェクト」を昨年12月に着工した。同国での日系企業による木造の増改築によるオフィス開発は今回が初めて。
ロンドン中心部に所在する1900年初頭に建築された5階建て鉄骨造のオフィスを取得し、1~4階は既存オフィスの構造を活用しつつ内装工事や環境性能を向上する改修工事を実施し、5~6階部分をマスティンバーによる木造で増築する。総事業費は約2200万8000英ポンド (約45億円相当)。26年1月の完成・賃貸開始を目指す。
既存オフィスの活用と木造の増改築によって、咸鏡配慮と賃貸床面積の増床による収益性の向上を図ると共に、解体・再建築の場合や鉄骨造での増改築と比較し、建物のライフサイクル全体でのCO2排出量の大幅な削減を計画。資材の製造、運搬や建設、修繕、解体などにかかる「エンボディドカーボン」は、英国の一般的な新築オフィスビルと比較し約60%削減可能であるほか、増築部分を木構造とすることで、建物全体で約220トンの炭素固定量や、工期の短縮も見込む。
開発主体は住友林業の英国のグループ会社・バイウォータSFCと芙蓉リースの共同出資会社。住友林業の完全子会社・SFCアセットマネジメントがプロジェクト組成の取りまとめや調整を担う。
住友林業は同プロジェクトを皮切りに。バイウォータSFCを環境配慮型の不動産開発に特化したディベロッパーとし、英国での木造オフィス開発事業の拡大を進める方針だ。