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住まい・暮らし・文化
不動産業 リノベ宣言 ~地域からの発想~ ◇17 阪井土地開発 精神障害者の住まい斡旋
「人が、ちゃんとした生活ができるお手伝いをするのが不動産業者だと思っています」――岡山県で20年前から精神障害者などの住宅をあっせんしている阪井土地開発の阪井ひとみ社長の言葉だ。
国土交通省が1月25日に東京で開いた「15年度居住支援全国サミット」に講師として招かれ、約400人の聴衆を前に45分間講演した(写真(下))。
「人は誰でも住所がなければ、何も始められません。精神障害者は入居を断られるのではという不安が常にあります。賃貸住宅に入居していて、調子が悪くなっても再入院を拒みます。なぜなら入院を理由に契約を解除されるという心配があるからです。そのため症状が更に悪化してしまいます」。
これは精神障害者を取り巻く住宅悲劇の一端だが、同様の理由や保証人の問題などから転居を恐れ(入居できるかどうか不安)、雨漏りなど劣悪な住環境に住み続けているケースも多い。
社会的偏見のために、まともな住まいに住むことができずにいる人たちに寄り添う人間性豊かな不動産業がもっと広まれば、国民の信頼度は一段と高まると思う。
(取材協力=全国宅地建物取引業協会連合会・不動産総合研究所)