主要住宅メーカー各社の4月度受注速報(金額ベース)は、前年同月比で大幅なマイナスとなり、厳しい結果を示した(表参照、5月14日時点)。新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした外出自粛要請、展示場の休業・閉鎖などが影響した。各社はオンライン接客の動きを加速する。
企業別で見ると、積水ハウスの「分譲住宅事業」は前年同月比横ばいだが、「戸建住宅」は同34%減、「賃貸住宅(RC造除く)」は同19%減。
大和ハウス工業は「戸建住宅」が同32%減、「分譲住宅」が同31%減、「集合住宅」が55%減。
住友林業の「戸建注文住宅」は同35%減、「賃貸住宅」は同20%減。「戸建注文住宅」ではウェブ広告を強化し、資料請求数は増加したという。
旭化成ホームズでは、戸建てと集合住宅の「請負住宅」が同60%減。同社の営業エリアは21都府県。東京を中心にした首都圏での受注が多く、外出自粛要請などが大きく影響した。
ミサワホームの「注文住宅」は27%減、「建売分譲住宅」は58%減。一方、「賃貸住宅」では物件の大型化、収納空間など付加価値を提供。棟単価が上昇し、同41%増となった。
パナソニックホームズは「戸建住宅」が同29%減、「集合住宅」が同48%減。
展示場での集客、対面での営業が制限される中、各社ともオンライン接客、リモート営業に注力する。積水ハウスは4月末まで「おうちで住まいづくり」キャンペーンを展開してきたが、顧客の反応もよく、期間を延長する。
また、大和ハウス工業はウェブ限定の戸建て商品「ライフジェニック」も持つ。成約件数は2月までが月間10件程度だったが、3月は35件に伸びている。
新型コロナの収束時期は見通せないが、ウェブでの顧客への訴求力が求められる。