経済産業省は8月23日、第29回産業構造審議会総会を開いた。経済産業政策の新機軸および22年度重点案を示すことを目的したもの。冒頭、梶山弘志経済産業大臣がその意義について強調した。
続いて平井裕秀経済産業政策局長が新機軸について説明した。今年6月の総会での議論を踏まえた方向性として、(1)コロナを経た新たな資本主義の追求の動き、(2)市場の失敗、(3)ミッションの明確化、(4)政府の失敗、(5)ワイズスペンディングという5つのポイントを紹介すると共に、新機軸で取り組むミッションとして、グリーン、レジリエンス、デジタル、分配を挙げた。政策効果の高い歳出に転換するワイズスペンディングを前提としながらも、大規模・長期・計画的な財政政策や、規制の強化も視野に入れた規制改革など、官民が共に垣根を越えた挑戦に取り組んでいく重要性を示した。
22年度の重点案では、コロナ禍の経済情勢に応じた適確な対応を進める。他方、コロナ後を見据えて新たな付加価値を中長期的に獲得し、成長を続けられる産業構造の構築も目指すとした。