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芝浦工業大学 良品計画とABW研究に着手 AIで働く場を最適化 

 芝浦工業大学(東京都港区)工学部情報工学科の新熊亮一教授は、感知器を使う「センシング」と、AI(人工知能)による「機械学習」を活用し、働く場所としての自由度を高めるスタイル「ABW」(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を実現できる環境づくりの研究に着手した。センシングとAI技術による予測を導入した個々人に最適化する研究は、世界でも類を見ない革新的な研究だという。21年内に開かれる学会での発表を目指している。

 今回の研究では、専門小売店「無印良品」などの事業を展開する良品計画(東京都豊島区)が協力する。

 オフィスで働く人の生産性を高められるように、「場所の推定技術」を確立する。個々人の属性や作業の目的に適した作業場所の予測方法を確立して、より最適なオフィス環境を整えられる考え方「ABW」の空間を提案できるようにする。

 新熊教授が独自に開発した複数のセンサーユニットでリアルタイムに検出できる「3D(3次元)イメージセンサーネットワークシステム」を生かす。

 まず、200人規模を対象に属性や習慣、目的ごとに作業したい場所を聞く。その場所を選定した理由に、目的や属性などの、どのような要因が影響を与えたのかの特徴を重要度で算出して、それを評価判定できるように機械学習モデルを構築する(イメージ図)。

 また、実際の空間も使う。移動状況や滞在時間などの情報をセンサーで記録し、生産性を評価する。

 それらの最小限の情報を基に、作業目的に応じた最適な場所の予測や提示までをできるようにする。更には、室内での音楽や、イス、畳、植物などのインテリア家具の配置などによって生産性の向上やコミュニケーションの増加にどのように効果があり、作用しているのかも解明する。