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ハニカムラボなど 空間管理を自律運営(DAO) 建設施工現場で

 3D(3次元)技術などのデジタルコンテンツ開発のハニカムラボ(東京都渋谷区)、曾澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)グループの一級建築士事務所ADAAC(東京都新宿区)、人物を電子的に複製するデジタルクローン開発のオルツ(東京都港区)の3社は、21年12月2日に提携で合意した。建設現場の施工管理などの場面で役立つように、都市空間の管理を自律運営する「DAO」(自律分散型組織)を構築する『SYNCWORLD(TM)ENGINE』を共同開発する。

 ブロックチェーン(分散型台帳)技術などを活用する。現実とデジタルの空間をリアルタイムに同期させ続ける「MR」(複合現実)の世界観を創出して、都市空間でのデジタルマッピング(電子地図)を実現させる。今回の共同開発ではこれを実現するため、クラウドで位置情報を管理する機能や大量の演算能力を提供できるシステムをつくる。

 様々な企業が開発するアプリケーションをAPIで連携して利用できるようにする。これにより構築するシステム「ENGINE」は特定の企業が管理するのではなく、DAOとしての実現を目指している。活用事例としては例えば、「建設現場をクローン管理するシステム」がある。

 具体的には、現場で使う部材などをデジタルで複製して管理できるようにする。単に形状的にデジタルで再現するのでなく、その組成や肌感、施工によるゆがみやズレを、実際に発生している状態そのままに疑似的に再現するという。従来の施工現場では設計図面とズレが生じた場合、職人が経験に基づく感覚で調整してきた。これを解消する。部材が実際に、どこの位置にどのような状態で存在しているのかまで、AI(人工知能)で確認できるようにする。