エスクロー・エージェント・ジャパン(東京都千代田区)と、サイバーリンクス(和歌山県和歌山市)は、21年5月に着手した共同研究の参画組織として、従前の複数の司法書士法人に加えて新たに、野村不動産ソリューションズ(東京都新宿区)の参画を2月15日に決めた。マイナンバーカードを活用した認証による売買契約から登記申請までを完全オンライン化させ、不動産取引決済のデジタル化や自動化を目指していく。
これまでの検証では、不動産仲介と登記の場面で、不動産売買契約書や重要事項説明書といった書類だけでなく、ローン契約書や抵当権設定契約証書などといった金融機関関連や、固定資産税評価証明書や住宅用家屋証明書などの行政機関を通じて入手する資料の電子化やオンライン化などに課題があると分かった。
そこで今後は、参画企業が買主となる売買や個人間売買でのオンライン取引を実際に行い、検証を重ねる。5月までに施行される改正宅地建物取引業法などの規制改革の進ちょくもふまえ、サイバーリンクスが持つ公的個人認証基盤を活用した電子証明書の機能を、エスクロー・エージェント・ジャパンの取引システムに組み込み、業界横断的な関連システムやサービスの開発に引き続き取り組む。