住友林業は2月14日、新中期経営計画(22~24年)を発表した。新中計では海外住宅・不動産事業の更なる拡大と、長期ビジョン実現の足場固めを図る(関連記事=住友林業・長期ビジョン)。最終年(24年12月期)の数値目標は売上高1兆7700億円、海外の住宅販売で2万戸を目指す。
同社は長期ビジョンにおいて循環型森林ビジネスの加速、ウッドチェンジの推進、脱炭素設計のスタンダード化を「住友林業のウッド・ソリューション」として掲げる。環境対策とビジネスを両立させる中で、木造化の推進として新中計の柱の一つに海外事業を据える。
21年12月期の住宅販売の状況は国内が9711戸(うち戸建て注文が8347戸)。一方、海外の戸建て販売は米国が1万1230戸、豪州が3169戸。この販売数の目標を24年12月期には国内9750戸とする一方、米国1万6000戸、豪州4000戸の計2万戸に引き上げる。増加率が高い米国では、住宅ニーズが継続的に発生すると分析する。
米国の戸建て住宅事業では、戸建て賃貸の請負拡大に加え、構造用パネル製造からフレーミング工事までの材工一括事業への参入も図る。都内で開いた会見で、光吉敏郎社長は「コロナが収束に向かったときは経済の復活と同時に人件費の部分がコストアップの要因になる。それを念頭に、パネル化、フレーミングの部分のコストダウンは重要。M&Aも含めて検討している」と説明した。
22年期初の戸建て住宅の受注残は7087戸。分譲住宅用の区画は7万2355区画であり、今後の販売拡大を見込む。
24年12月期での売上高目標は1兆7700億円。うち海外住宅・不動産は9540億円であり、3年間での増減率では48.0%と高い伸長を目指す。
21年12月期は過去最高益
同社は同日に21年12月期通期決算を発表した。海外住宅不動産事業が好調に推移し、売上高、経常利益は過去最高(前連結会計年度から決算期を3月末から12月末に変更したため、決算短信には増減率を記載していない)。
22年12月期の業績予想では増収を見込む。前期に退職給付会計の数理計算上の差異でプラスが発生し、その反動で経常利益は減益を見込む。
住友林業
決 算 21年12月期
売上高 1兆3,859億円 (―)
営業利益 1,136億円 (―)
経常利益 1,377億円 (―)
当期利益 871億円 (―)
予 想 22年12月期
売上高 1兆5,240億円 (10.0%)
営業利益 1,185億円 (4.3%)
経常利益 1,350億円 (△2.0%)
当期利益 860億円 (△1.3%)