総合

大言小語 弱肉強食の時代

 ▼資材価格の高騰が住宅・不動産各社を悩ましている。中野サンプラザの再開発は想定以上に建設費が高額になり採算が合わずに白紙状態に戻された。マンション開発で使用する鋼材の種類はH型鋼材が多い。ロール材ではなく板材を切って溶接して使用する。マンションの場合、一般的にそんなに厚い板材は使わない。だいたい20~30ミリ。マンションの高さにより異なり、高さが高くなれば剛性を持たせるために厚くしていく。鉄筋だけでなく鉄骨もある。鉄骨・鉄筋は1トン当たり1万円上昇すると全体の売り上げ総コストに対して1%の影響が出てくるとされる。

 ▼その鉄鋼を巡って日米国際問題に発展した。日鉄によるUSスチール買収の話が政治問題化された。鉄鋼業界は世界での競争が激しい。粗鋼の生産自体は中国の急激な増産により世界を席捲する。そんな鋼材をはじめとする資源に投資をしている投資家とはどんな存在なのか。

 ▼少ない元手でバイアスをかけて投資するヘッジファンドがこれまで目立っていたが、富裕層も資産の一部を資源に振り向けている。将来的に絶対的な量としての資源が不足することは確実とされ、富裕層はブツ(物)の確保に動く。「終戦後の日本を思い起せ」をスローガンに「お金があっても物がなかった時代を想像してもらえばよい。当時は着物や貴金属などを農家に持って行き食料に換えていた。間もなくそういう時代が来る」と訴える。