東京都の「長寿命環境配慮住宅モデル事業」に基づき企画されたモデルハウスが、このほど完成した。公募により選定された相羽建設(東京都東村山市)が主体となり、東京都府中市美好町の事業用地に延床面積約100平方メートルの戸建て住宅16戸を建設。省エネ設備の付加にのみ頼るのではなく、住み方の提案を通じて低炭素な暮らしを普及させる目的だ。同時に、工務店を始めとする中小事業者に低炭素型住宅の供給に取り組んでもらう狙いがある。モデルハウスは9月1日から一般公開する。
スケルトン・インフィル工法を採用したほか、太陽熱暖房・太陽光発電機能を持つソーラーシステムを設置するなどして長期優良住宅認定を取得。住宅性能等級も劣化対策・耐震等級・維持管理対策・省エネ対策の各項目で3以上を取得した。また、建築物の総合環境性能の格付け「CASBEE」では、建設から処分までのライフサイクル全体におけるCO2削減量が、一般的な戸建て住宅と比較して50%以上と評価された。
モデルハウスは約1年の公開期間を経て順次販売する。居住者には電気・ガス・水道の使用量データを2年間提出してもらい、家族構成や住み方によってどのような影響があるかを検証するという。
一方で同事業には、供給側である中小事業者に低炭素型住宅を普及する狙いも。都市整備局は「最新・最先端の設備ではなく、地場の工務店の技術力を駆使した低炭素型住宅を目指している」として、中小事業者の来場に期待を寄せている。
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