住宅不動産市場研究会(代表=伊豆宏・明海大学名誉教授)は5月1日、中古住宅流通戸数の中期予測を発表した。同調査は(1)住宅土地統計調査(2)不動産流通総件数(3)不動産流通機構の成約件数という3つの統計ベースごとに予測しているのが特徴。
それによると、最もポピュラーな数字となっている住宅土地統計調査ベースでは、2008年度は17万戸だったが、2013年度22万戸、2014年度22万戸、2015年度23万戸、2016年度23万戸と、徐々に増加していく見込み。これに対し、不動産取得税の件数から算出する不動産流通総件数は、2008年度は51万戸だったが、2013年度61万戸、2014年度61万戸、2015年度63万戸、2016年度63万戸とこちらも増加していく予想だ。一方、不動産流通機構成約ベースは、2008年度が9万戸だったが、2013年度11万戸、2014年度11万戸、2015年度12万戸、2016年度12万戸とやはり徐々に増加していく。
(1)は個人の中古持家売買が調査対象となっているのに対し、(2)はそれ以外にも中古借家の売買や、法人間取引、更に年間数回移転すればそれもカウントされることから、両者の数には大きな開きがある。(3)は中古住宅の流通戸数が対象で、毎月発表されるため最もタイムリーな数字だが、全ての取引が報告されているわけではないので、最も少ない数字となっている。
なお、同調査はこのほか地域別の予測や、戸数以外に取引金額による流通額、流通収入(手数料)、流通売却所得(売却価格と購入価格との差額)についても推計している。詳細に関する問い合わせは電話・ファクス047(343)2391、伊豆氏へ。