総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T、東京都江東区)は、2023年12月にLIFULL(東京都千代田区)や栃木県那須町(平山幸宏町長)と共同で実施した実証実験「ドローン等デジタル技術活用による空き家調査の品質向上と空き家バンク登録情報の拡充」の成果をまとめた。
今回実証事業を実施した那須町では、全国的な傾向と同様に、空き家バンクの登録物件が5件程度で伸び悩み、空き家の調査の拡充と、空き家所有者への働きかけが必要な状況にある。
こうした背景に今回、従来は人力で行ってきた空き家調査に関して、「水道使用量データ」と「ドローン」(無人航空機)を活用する新たなアプローチの調査手法を設計し、その有用性を検証した。
実証実験の結果、ドローンを活用した空き家の特定作業は、「特定空家判断基準」「空き家判断基準」「利活用可否判断」に有効と思われるチェックリストのそれぞれ半数程度の項目で有効に判定でき、従来の目視調査に対して一定の代替えが可能と判断できたという。
ただ、地上からの視点や現地でなければ確認できない項目に関しては、現地で人による調査が必要と判明した。
今回の調査手法を活用することで、これまでは実施してきた問い合わせの都度に現地を訪問する調査と異なり、自治体が能動的に空き家調査を実施できるようになる。
今後は引き続き、今回の調査手法の実用化に向けて改善を重ねると共に、ドローンによる外壁調査を経た利活用できることが分かった空き家へのマッチング手法についても検証する。一連の空き家対策業務をパッケージモデル化し、同様な課題に取り組むほかの自治体にも横展開していく。