Pick Up!
- 用地仕入れに勝つ 消費者との接点増やせ
- 三菱地所、英国の不動産ファンド会社を買収
- コインパーキングを商業施設に有効活用
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事をピックアップします。まずは、1位の「用地仕入れに勝つ 消費者との接点増やせ(2025/6/10号)」になります。用地の仕入れは各社にとって生命線です。種がなければ実りはありません。マンションの価格高騰を受けて消費者がマンションよりも割安と感じる戸建て住宅にシフトする傾向が見られる中で、その戸建て住宅の用地仕入れの難しさが浮き彫りとなっています。
そうした苦悩を打破する住宅メーカーを始めとする住宅・不動産各社の取り組みを記事で紹介しています。競争力のある商品企画で少しでも魅力のある土地の仕入れにつなげるだけでなく、地域住民、地域コミュニティに焦点を当てて、その土地になじむことで地主等にアピールしたりします。これからの用地取得では、CRE(企業不動産)に注目が集まっていますが、それだけでなく地域に〝転がっている種〟を地道に探索することが重要になっています。
次に挙げるのが8位の「コインパーキングを商業施設に有効活用 フィル・カンパニーグループ(2025/6/13配信)」です。これも前述した「用地仕入れに勝つ」と同様に土地の有効活用として注目を集めたものと思われます。今回の記事は、遊休不動産の利活用を展開するフィル・カンパニーグループが、東京ガス不動産のプロジェクトに参画して商業施設「フィル・カンパニー磯子駅前プロジェクト」を完成させたというものです。東京ガス不が横浜市内でコインパーキングとして活用していた土地にパーキングの機能を残しつつ、上部空間を商業施設としています。
コインパーキングは、土地の出物が少ないと言われる大都市部にとって貴重な用地仕入れの種の一つと言えます。コインパーキングの跡地に分譲マンションを開発したり、収益物件として運用する動きは東京23区でもあちらこちらで見られます。
最後に挙げるのが4位にランクインした「三菱地所、英国の不動産ファンド会社を買収(2025/6/12配信)」になります。三菱地所が英国の不動産ファンド運用会社であるペイトロン・キャピタル・パートナーズを買収するというニュースです。買収額は非公表です。ペイトロン社の運用資産座高は8000億円弱とされ、これを三菱地所合わせた額は7兆円規模に達します。運用会社として見ると、三菱地所は日本勢で群を抜く規模になります。国内で大規模な開発事業を手掛ける同社にとって、バランスシートを重くしないで稼ぐフィービジネスは、投資家や金融機関から高く評価を受けそうです。同社では、2023年度末には運用資産規模(AUM)を10兆円にすることを計画しています。