東京都渋谷区神南1丁目にある渋谷区立北谷公園が4月1日、公募設置管理制度(パークPFI)を活用して装いを新たに開園した。管理や運営は東急が代表企業となる「しぶきたパートナーズ」が担当する。同制度の活用は渋谷区、東急共に同公園が初めて。カフェの出店やイベントの開催、屋外ワークスペースとしての活用などを駆使して、地域のにぎわい創出や活性化を図る。
北谷公園は従来、主に自転車やバイクの駐輪、短時間の休憩に使われていた。パークPFI制度は飲食店などの公園利用者の利便性向上を図る公募対象公園施設を設置し、その民間事業から生まれる収益を公園の整備・維持管理費として使用する仕組みだ。
指定管理者のしぶきたパートナーズは東急が代表企業を務め、広告代理業、イベント企画制作を行うCRAZY AD(東京都渋谷区)、建築の設計監理、都市デザインの調査・企画・コンサルティングなどを行う日建設計(東京都千代田区)が参加している。指定管理期間は21年4月から25年11月まで。
公園面積は960m2で、新たに鉄骨造・2階建ての施設を設けた。施設の建築面積は181m2、延べ床面積は295m2。この施設には米国カリフォルニア州発のコーヒーショップ「ブルーボトルコーヒー」が4月28日に出店。4月1日から20日までの期間には、公園内にエスプレッソマシンを搭載したコーヒートラックを配置する。ブルーボトルがコーヒートラックを配置するのは国内初となる。
公園は高低差を生かして、ステージ広場、階段状のステップ広場などを設けており、様々なシーン創出ができる。ポップアップショップ(宣伝効果を狙った期間限定店)の出店、音楽イベントの開催などを検討中だ。公園内では屋外で使用できるフリーWi-Fiを導入しており、ワークスペースとしての活用も視野に入れる。
4月1日の開園式典に参列した渋谷区の長谷部健区長は「北谷公園が生まれ変わった。地域の人、渋谷を訪れる人にも愛していただける空間になればと願っている」と述べた。
東急の高橋和夫社長は「モノをつくったのがゴールではなく、スタートと考えている。この公園にいろいろな人が集い、いいコミュニケーションの場になり、周辺の活性化が進むのではないか」と期待を表した。