プロロジス(日本本社=東京都千代田区、山田御酒社長)は4月9日、千葉県八千代市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代1(PP八千代1)」の起工式を行った。国内では104棟目、千葉県内では22棟目の施設建設となる。開発地には2棟の物流施設を建設する計画。2棟合計の投資額は440億円。1棟目となるPP八千代1の竣工は22年9月を予定する。
開発地は国道16号から約 2キロに位置し、物流施設の立地としては東日本全域をカバーできる。自動車の20分圏内には20万人が居住。京成本線勝田台駅、東葉高速鉄道東葉勝田台駅からバスで15分とアクセスがよく、雇用環境が整っている。
PP八千代1は柱RC+梁(はり)S造の5階建て。敷地面積が6万9302m2、延べ床面積が16万1338m2。投資額は280億円。八千代市初のダブルランプウェイを備えた大型賃貸用物流施設となる。1階は1m2当たりの床荷重が2トンと、冷蔵・冷凍機器の持ち込みに対応する。入居企業として食品卸やアパレル、3PL(物流部門を第三者企業に委託する形態)、EC(電子商取引)の事業者などと商談を進めている。
隣接して「プロロジスパーク八千代2(PP八千代2)」の早期着工も予定する。PP八千代2は延べ床面積が約9万3000m2のマルチテナント型物流施設とする計画だが、PP八千代1のテナント動向によってBTS型にするケースも検討する。投資額は160億円。
開発地は大成建設(東京都新宿区)による宅地開発事業地「八千代もえぎ野」に造成された「もえぎ野複合業務地区」に位置する。用途変更はもえぎ野自治会の協力の下、八千代市、大成建設、プロロジスが協議を重ね、今回の開発に至った。
同複合業務地区ではバスの操車場や商業施設、給食センターの建設が予定されており、PP八千代1では雇用創出などで地域活性化への貢献を目指す。
地方への注力も
起工式後、プロロジスの山田社長は報道陣に対応し、事業方針を説明した。用地価格の高騰を踏まえ、山田社長は「現在の土地入手のための競争にはほとんど参加していない。時間をかけながら、土地区画の整理や、建設会社、不動産会社とタイアップしていく手法を取る」と述べた。
一方、競争の激しい関東や関西だけでなく、地方にも注力する。「東北や九州への志向がお客様にある。地域ごとに自己完結型の物流施設を持ちたいというニーズがある。また、物流不動産に最近進出した企業はほとんどが関東や関西の開発に集中している。過当競争を避ける意味でも地方での開発を進めていきたい」と説明した。