不動産テック事業を推進するGMO ReTech(東京都渋谷区)は、不動産管理会社と、継続的な賃貸運営に欠かせない工務店などの〝業者さん〟を最適につなげる『GMO 賃貸 DX 業者さんアプリ for 原状回復』の提供を12月16日に始めた。今回は、活用場面の多い〝原状回復〟向けに機能を特化した。スマートフォンアプリやウェブを通じて容易に円滑にコミュニケーションを図れるツールとして、不動産賃貸管理会社に導入を訴求する。
同社は、不動産業務のDXの推進を支援するサービスブランド『GMO 賃貸 DX』を展開している。不動産管理会社と物件オーナーをつなぐ『オーナーアプリ』や、入居者をつなぐ『入居者アプリ』を提供している。今回、同シリーズに『業者さんアプリ for 原状回復』(以下、業者さんアプリ)を加えた。
賃貸運営を楽に
これらのアプリの連携活用により、関連書類などをクラウド上で一括管理できるのに加え、デジタル最適化して新たなスタイルの〝つながり〟を生み出すことにより〝賃貸運営を楽にする〟世界観を提供する(イメージ図)。
今回、提供を始めた『業者さんアプリ』の特徴は「工程ごとでなく、タスク(案件)ごとにリアルタイムに状況を更新・確認して管理できる点にある」(同社プロダクトマーケティング部部長の能田聡氏)。また、シンプル機能ですぐにも使いこなせる。
修繕などの業者側は、写真撮影や登録機能でオンタイムに写真データを共有できる。現場への担当案件の振り分けや現場担当からのフォーマットで定型化された報告書の確認、不動産管理会社への報告を容易に送れるようになる。
一方の不動産管理会社は、原状回復工事の進捗管理や、受領する報告内容を確認できる。従来の表計算ソフトによる複数のシートや複数の業務管理ツールをまたいで運用管理する手間がない。管理画面上で一元管理して、見積もりの依頼や発注もできる。
将来的には、『オーナーアプリ』にデータを連携して、オーナーへの同時報告も行えるようにする。入居者の解約申請や原状回復のオーナーへの請求通知など〝賃貸〟に関わる人たちの、さまざまな連絡や手続きを一気通貫にしていく。同社は、「いきなりフル装備の機能ではなく、基本スタイルでもある原状回復の機能に特化し、適用場面を明確化した。今後は、修繕や定期点検など向けの機能やサービスも拡充していく」(能田部長)と話している。