不動産会社など向けに音声解析サービスを提供するコグニティ(東京都品川区)と船井総合研究所(東京都千代田区)は、『売れない営業マンがたった半年で1億円』と題し、住まいづくりで商談中の音声を解析して組織や個人の「営業レベルアップ」を考えるセミナーを21年12月8日に共催し、ウェブで配信した。
船井総合研究所・住宅支援部シニアコンサルタントの西村茂和氏は、「激変する環境下では企業も変革が大切。従来の〝登山経営〟の経済成長のピークは越えた。現在は、人口減や高齢化、格差化を踏まえて〝下山経営〟の時代。仮に集客数が減っても、契約率の向上が重要」と説明。「一人のトップセールス頼みではなく、全員が売れる力を持つ〝ボトムアップ〟を図る。情報やノウハウの〝見える化〟で〝脱ブラックボックス化〟する。単に運が良い〝たまたま受注〟は自己正当化するだけで、仕事内容はいっこうに改善されない。顧客の質問を想定して事前に情報を提供する。話をよく聞き、相手を知ることが鍵になる」と指摘した。
コグニティ・第1事業部営業部長の堀尾桂佑氏は、大手ハウスメーカーのトップ4社や不動産会社28社の〝営業トーク〟を解析した知見やノウハウに基づき、同社が開発したサービス『COG―HOME』(コグ・ホーム)について、「商談内容を文字で可視化して、AI(人工知能)による12項目の解析で無駄な質問や会話などが分かる。この解析から、成約を左右するのは〝初回接客〟が最も大事だと判明している」と紹介。「若手の早期戦力化や、時代に合わせてシニア世代のスキルをアップデートさせたいといった課題感を持つ企業は少なくない。データで示すことで指導の納得感が高まる。指導方法の偏りや属人性もなくなる。指導者側のスキルも向上していく。ロールプレイング(予行練習)の結果をフィードバックするサイクルを構築することで〝運まかせ〟の契約から脱することができる(イメージ図)」と解説した。