不動産データを活用したシステムサービスを提供するクラリティ(東京都港区)は、全国のマンションやアパート、戸建てなど「賃貸住宅」の適正賃料を算出するクラウド型賃料査定システム『CLAMILL』(クラミル)に、補正値として「AD」を加味して適正賃料を算出できる新機能を搭載した。自由度の高い条件設定を特徴に、実態に即した査定金額を導出できるようにした。
同システムは、19年6月に提供を開始した。賃料査定の計算に約1分、グラフなどで可視化するレポート作成ではボタン操作の約3分で完了できるという。そうした機能性や操作性が評価され、大手企業などでも導入されている。
対象物件の最寄り駅や、住所(町丁目)からも調べられる。所在する地域の特性を踏まえた査定賃料金額を導き出す。強みの特徴で、査定の精度を高めるための設定条件を柔軟に変えられる自由性がある。全自動の〝機械まかせ〟でなく、内容に応じて抽出条件の設定項目を調整できる。
フリーレントや今回機能追加した「AD」の要素を加味して、査定賃料の金額を算出できる。査定後の簡易結果は、当該の査定賃料が平均的か、高いのか低いのか、適正賃料帯を5段階で区分したメーターグラフなどで表示する(イメージ図)。
全国約500万件のビッグデータに基づく周辺競合物件のデータを備える。査定の根拠となる具体的なデータ情報を明確化できる点も強みにある。参照物件を一覧表示してマップ上にも示し、駅徒歩分数と築年別の傾向、設備概要などのグレードの違いで比較でき、多角的な情報から俯瞰(ふかん)して詳細結果を分析できる。
納得感ある査定
同社執行役員の辻英和氏は、「周辺物件と比較しつつADなどを加味し、実態に合わせた賃料査定を実現できるのは、当社の独自機能。作業の属人性を排し、履歴情報を蓄積管理できる。きめ細やかな設定から賃料金額を導ける〝納得感〟のある査定を支援したい」と話している。