国土交通省は2月28日、1月分の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は前年同月比2.1%増の5万9690戸で、11カ月連続の増加となった。持ち家、分譲住宅は減少したが、貸家が増加したため、全体を押し上げた。直近10年間では下から2番目の水準。
新設住宅着工床面積は496万8000m2(前年同月比3.0%増)で、10カ月連続の増加となった。季節調整済年率換算値は82万戸(前月比2.1%減)で、3カ月連続の減少となった。
戸数の内訳では、持ち家は1万8130戸(前年同月比5.6%減)で2カ月連続の減少となり、直近10年間では下から2番目の水準。特に民間資金による持ち家が1万6506戸(同3.7%減)で、15カ月ぶりに減少に転じた。
貸家は2万3083戸(同16.6%増)で11カ月連続の増加。直近10年間では下から2番目の水準だった。このうち民間資金による貸家は2万1580戸(同19.6%増)で12カ月連続の増加となったが、公的資金による貸家は1503戸(同13.9%減)で3カ月連続の減少となった。
分譲住宅は、全体で1万8154戸(同4.9%減)となった。4カ月ぶりに減少に転じており、直近10年間では下から3番目の水準だった。このうちマンションは7071戸(同19.4%減)で3カ月ぶりの減少となり、一戸建ては1万1003戸(同7.7%増)で9カ月連続の増加となった。
マンションは「計画内」
同省建設経済統計調査室は、分譲マンションの着工戸数の減少について、「大規模と位置付けている100戸以上の案件は今年のほうが多かったが、100戸未満の案件が少なかった。一部事業者へのヒアリングでも計画通りとの声が聞かれ、コロナ禍の直接の影響によるものではないと見られる」と説明した。他方で、分譲戸建ての増加については、「コロナ後の『新しい生活様式』に対する需要により在庫が減ったため、事業者側で20年末から仕入れを強化し、着工に入っているとの声が聞かれる」(同調査室)とした。