月極駐車場契約手続きのオンライン化など、モビリティSaaSサービス『Park Direct』を運営するニーリー(東京都中央区)は、総額19.4億円を資金調達した。プロダクトの開発強化や、サービスの拡大、人材を増員する考えで、車両の利用者や駐車場を管理する不動産管理会社の一層の利便性向上に向けた支援サービスを追求していく。
調達先はSBIインベストメント、スパークス・グループ(未来創生3号ファンド)、三菱UFJキャピタル、新明和工業、横浜キャピタル、静岡キャピタル、小僧comで、借入金や当座貸越枠を合わせた累計の調達額は23億円となった。
不動産管理会社にとって駐車場関連業務は、比較的に売上全体でみれば収益性が低い。ただ、大切な業務ながらも、業務の煩雑さなどとも相まってオンライン化を含めた業務の効率化が進んでいない現状がある。
そこで同社は、19年11月以来、空き区画の集客募集から、申し込み対応・審査、契約手続き、書面発行、顧客管理、使用賃料の収納代行(賃料保証含む)、契約の更新や解約、コールセンターの問い合わせ対応までの一連業務をすべてオンライン化して全体最適化できるサービス『Park Direct』を運営している(イメージ図)。
他社が運営している賃貸業務基幹システムとも連携しており、更に連携の予定先もある。不動産管理会社の手続きコストの削減や業務負担の軽減の実現と共に、収益性のアップにも貢献している。
今後は、同サービスで蓄積したデータやノウハウを活用したモビリティ領域の事業を拡大する。EV(電気自動車)の普及促進に向けた充電インフラ整備などのさまざまな周辺サービスと連携していく。
同社社長の佐藤養太氏は、「自動車保険や、ガソリンスタンドなどの提携企業の優待サービスを付加するなど、さまざまなニーズの声が届いている。細かな機能の改善も重ねていきたい」と話す。