担当者だけの対応では、もう限界かもしれない――。ただ、外注化は戸惑いがある、顧客が不安に思うのではないか、そうした声が漏れ聞こえる。今後の不動産業務の要となる全体〝コーディネート〟の実現を願い、iYell(イエール、東京都渋谷区)は、同社提供サービスの住宅ローン業務効率化アプリ「いえーる ダンドリ」を通じた企業間〝分業〟のメリットを提案している。
住宅ローンは、不動産売買の成約の前提条件の1つでもある。最適な住宅ローン商品の紹介は、不動産会社にとって営業上の大きな〝武器〟であることに、今も変わりはない。だが、紹介に際し、従来に比べて「外的な要因」が大きく変化した。それは何か。
住宅ローン商品は今や、1万種類を超える。提供する金融機関もネットバンクが加わり、複数の金利プラン、団体信用保険も11大疾病や全疾病保障、災害に対応する特約条項で多様化。期間限定のキャンペーン商品もあり、複雑化した。「すべての商品知識を常に最新に保ち続けるのは、不動産会社の営業担当者にとって難しい状況にある」と、iYell社長室室長(住宅DX・ダンドリFC推進)ダンドリFC・ofiice長の石川仁健氏は指摘する。
住宅購入者は、暮らしに役立つ情報収集方法としてインターネットを当たり前に使う時代。もしも、不動産営業担当者の商品知識が乏しく、または古ければ、ネットですぐに判明してしまう。間違いなどを指摘されれば、住宅購入者の信頼を落としかねない。
プロ同士でタッグ
あらゆる業界で人手不足が深刻化している。入社間もない社員に不動産業務のスキルと共に、「住宅ローン商品の知識の習得も求めれば、負担が重く、人材の採用がますます難しくなりかねない」(石川氏)。自社内で業務を完結することも1つの選択肢だが、業務の習熟度、商品提案のノウハウや知識に差がある。未熟な担当者であると手続き不備のリスクになる。住宅ローン商品の紹介は営業上の大きな〝武器〟だからこそ、常に最新の知識や情報を得ている専業の機関に任せる外注化は、有力な選択肢になる。住宅ローンは、金融機関の商品で、商品設計などで不動産会社側に裁量の余地はない。そこに力を注ぐよりも、専門の機関に任せるほうが、まさに強みである不動産業務に専念できるのではないだろうか。
不動産業務のプロである不動産会社と、住宅ローン商品を取り扱うプロがタッグを組んでチームで対応する。その際に不動産会社がハブ(結節点)として、住宅購入に関わる業務全体を〝コーディネート〟することが新たな役割になっていく。その一端で、iYellの提供サービスが意義を持つ。専業だからこそ、最新情報やノウハウを蓄積して共有している。その専門性から、最適な商品を選択して提案できる。いわゆる〝餅は餅屋〟と言われる。専業ゆえにノウハウに長け、住宅購入者の選択肢を増やせる。
営業戦略として
同社では、専用アプリを用意しており、住宅購入者、不動産会社、iYellの3社の間でコミュニケーションを図りやすい(イメージ図)。
不動産会社は、「本来の職分の経験を積み上げて、その強みの不動産業務に注力しつつ、全体を俯瞰(ふかん)して、コンサルティングもできる」(石川氏)。自社内で業務を完結するのか、それとも、外注化の分業を通じて効率よく、効果的にニーズに応えるのか。それは、今後の不動産各社が選ぶ営業戦略の重要な観点になりそうだ。
お問合せ先 | |
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