政策

新設住宅着工戸数・8月 7.7万戸で4カ月ぶり増加 分譲は過去10年で最高水準

 国土交通省は9月30日、22年8月の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は7万7712戸(前年同月比4.6%増)で、直近10年間(8月分)では上から6番目の水準となった。持ち家は減少したが、貸家および分譲住宅が増加したため、総計では4カ月ぶりの増加となった。分譲はマンション着工の増加等を受け、8月としては最高水準になった。

 8月の新設住宅着工床面積は617万8000m2(前年同月比0.5%増)で4カ月ぶりの増加となった。また、季節調整済年率換算値は90万3000戸(前月比9.4%増)で、先月の減少から再びの増加となった。

 利用関係別で見ると、持ち家は2万2291戸(前年同月比11.2%減)で9カ月連続の減少となり、直近10年間では下から2番目の低水準となった。民間資金による持ち家は2万327戸(同10.2%減)、また、公的資金による持ち家は1964戸(同20.7%減)といずれも二桁の大幅減少となった。

貸家は18カ月連続増

 貸家は3万1295戸(同8.9%増)で、18カ月連続の増加。このうち民間資金による貸家は2万8499戸(同8.7%増)と2カ月連続で増加しており、公的資金による貸家も2796戸(同11.3%増)で3カ月連続の増加となった。

 分譲住宅は全体で2万3172戸(同16.2%増)となり、先月の減少から再び増加した。このうちマンションは1万727戸(同34.6%増)と先月の減少から増加に転じたほか、戸建て住宅は1万2341戸(同4.7%増)で16カ月連続の増加となった。直近10年間(8月分)では、マンションが上から2番目、戸建てが1番目の高水準となったため、分譲住宅全体でも最高水準となった。

 同省建設経済統計調査室によると、「最近は減少傾向にある持ち家と増加傾向の貸家のバランスで総戸数が決まっているが、8月分では大規模案件が見られたマンションなど分譲の増加が全体に影響した」と説明。地域別で見ても、首都圏、中部圏、近畿圏、その他地域のいずれでも持ち家の減少、貸家の増加という動きは共通していた。なお、地域別では、近畿圏で分譲マンションが前年同月比114.5%増となったことを受け、近畿圏の分譲住宅全体で同40.8%増、同じく総戸数で同13.4%増とそれぞれ大幅な増加となっている。首都圏、その他地域においても分譲マンションが二桁増となった一方で、中部圏は分譲マンションが前年同月比13.0%減となり、他エリアと異なる様相を示した。

 なお、8月は社宅等の給与住宅が954戸(前年同月比78.7%増)と増加しており、同調査室では着工戸数の増加に寄与したと指摘した。