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大言小語 ひるむことなく

 日本で初の女性首相誕生は今年の大きなトピックだ。世界情勢が混沌とし、国会で高市氏が台湾有事で存立危機事態になる可能性を発言して中国がかみつき日中関係が悪化。中国は自国民に訪日や対日投資に待ったをかけているが、安全保障上の問題であるだけに品を欠く恫喝のような対応にひるむことなく対応してもらいたい。

 ▼住宅・不動産市場は好調に推移している。JLL日本の河西利信代表取締役社長は「不動産投資マーケットで海外投資家が消極的になっている傾向は今のところ見えていない。アジア太平洋に投資しようとするときになかなか中国には投資しづらい。そうなればと豪州と日本に限られる状況が続いている」とし、国内外の投資家は対日投資をポジティブにとらえていると俯瞰(ふかん)する。

 ▼その要因として挙げられるのが金融情勢だ。日本は諸外国に比べて金利は低く、圧倒的に資金調達コストが安いことが魅力になっているためだ。不動産ビジネスは借り入れを起こして不動産のリターンを取りにいくビジネスだ。ただ、日銀の植田総裁は、直近で政策金利をいよいよ上げる布石のような発言が目立ち始めており、12月引き上げ節が急浮上している。今の政策金利は0.5%程度で、引き上げるとすれば0.75%が想定されるが、それでもなお1%を下回る。日本の金利の魅力が揺らぐような状況にない。不動産プレーヤーは金利情勢にひるむことはない。