国土交通省は1月10日、第1回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を開催した。
分譲マンションのストック総数が570万戸に達した一方、管理機能が不全またはそれに陥る可能性の高いマンションが少なくないのが現状。加えて、建物の老朽化と居住者の高齢化を指す「2つの老い」が進行し、管理の難易度はますます上がるとみられている。これらを踏まえ、適切な管理の在り方を検討する趣旨だ。座長には福井秀夫・政策研究大学院大学教授が就任。このほか、浅見泰司・東京大学空間情報科学研究センター教授や吉田修平弁護士、親泊哲・日本マンション管理士会連合会会長らが委員を務める。
1回目の今回は現状と課題について、委員がそれぞれの立場から報告。管理に専門家を活用する必要性に言及した意見が目立った。一方、専門家活用例として注目を集める第三者管理者方式については、管理組合財産が毀損された場合の保全措置など、主に管理者の資格要件に関するルールが整備されていない点がかねてから指摘されている。検討会でも「理事会を不要とする方式には懸念がある」といった声が挙がった。
国交省マンション政策室は「第三者方式に限定はしない」と前置きしたうえで、「専門家をいかに活用するか、幅広い観点から見直すことに力点を置く」とコメント。このほか暴力団など反社会勢力の排除規定の標準管理規約への盛り込みなども提言され、専門家活用の際のルール整備と併せて4月以降に具体的検討を行う予定。